コーチングのテーマを決める

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取り組むべきテーマを設定する際、よく使われるのが「重要度」と「緊急度」の二軸による判定基準です。費用対効果、そして、より高い成果を期待していることを考えると、当然のことながら、「重要度」の高いものがセッションテーマとしてふさわしいでしょう。

コーチングのテーマを決める

コーチングセッションのテーマは、本来、クライアント側が決めるものです。したがって、何をテーマとしようと、クライアントの自由だと言えるでしょう。


とは言えやはり、コーチングに適したテーマというものがあります。特に、お金を払ってプロコーチを雇う場合は、その投資に十分見合うだけのリターンを得られるようなテーマを選びたいものです。職場で上司・部下の間柄でセッションを行なうにしても、貴重な時間を費やすのですから、実り多いものにしたいですね。


もちろん、セッション技術の巧拙により費用対効果も異なりますが、それ以前に、テーマ設定を間違えないことが、前提として大切です。


取り組むべきテーマを設定する際、よく使われるのが「重要度」と「緊急度」の二軸による判定基準です。費用対効果、そして、より高い成果を期待していることを考えると、当然のことながら、「重要度」の高いものがセッションテーマとしてふさわしいでしょう。では、「緊急度」については、どうでしょうか。


たとえば、翌日に大事な営業プレゼンをしなければならないとします。どのようにそのプレゼンを行なうかは、重要かつ緊急のセッションテーマとなるでしょう。案件が契約に至るかどうかを左右するのですから、費用対効果は高いし、より高い成果を求めるのなら、ぜひともコーチの助けを得たいところです。とは言え、対応としては、かなり場当たり的ですし、本当にコーチの助けが必要なのか、疑問です。


コーチングの定義を振り返ってみましょう。コーチングは「パフォーマンスを向上させるために対象者を勇気づけ、質問によって気付きを引き出し、本人の自発的行動を促進させるコミュニケーション技術」と定義されます。「翌日の営業プレゼン準備」という行動は、コーチがいてもいなくても、「自発的行動」のはずです。コーチがいなければ、それをしないのでしょうか。そのようなことは、あり得ません。つまり、コーチの助けがなくてもできる行動であり、コーチングのその部分の定義からは、はずれると言えます。


では、「勇気づけ」や「気付きを引き出す」という点では、どうでしょうか。確かに、翌日のプレゼンを前に「勇気づけ」られるという点では、コーチとの会話は役立つでしょう。セッションの中で、「気付き」が引き出されるかも知れません。ですが、「翌日の営業プレゼンでの成功」に、直接的に結びつくかどうかは疑問です。その「気付き」の価値が高いにしても、位置づけとしては「副産物」でしょう。


あるいは、セッションの中で、プレゼンにあたっての妙案が生まれる可能性もありあす。とは言え、それが引き出されるかどうかは、全く保証の限りではありません。そもそも、妙案などは存在しないことの方が、はるかに多いのです。たまたま引き出されなかったとしたら、コーチングは役に立たないというレッテルが貼られるのでしょうか。


「重要度」が高いという点についても、疑問符をつけざるを得ません。いくら金額が大きくとも、たった一つの案件です。一案件をどうするかということよりも、案件がどんどん生まれていくようなマーケティングの仕組みづくりをすることの方が、はるかに重要ではないでしょうか。そう考えると、このテーマの重要度は、相対的には低いと言えます。


「翌日の営業プレゼン準備」をする際に必要なサポートがあるとすれば、それはコーチングではなく、コンサルティングでしょう。そのように緊急度が高いものは、コーチではなく、具体的な「答え」を持つ専門家から、知恵を拝借する方が適しています。上司として部下に接する場合も、そのように緊急度が高いものについては、コーチングではなく、ティーチング(教える)で接した方がよいでしょう。火災が起きた時のような場面を想像してみてください。部下に対して「どうしたらいいと思う?」などと尋ねるでしょうか。大声で「逃げろ!」と命令すべきなのです。


このように、セッションのテーマを選ぶなら、「重要」であって、なおかつ「緊急でない」ものにすべきです。「緊急でないもの」こそ、実はコーチのサポートを得るのに非常に適しています。なぜなら、そのような「緊急でない」ものは、どうしてもついつい、先送りになってしまうからです。


例として挙げた「翌日の営業プレゼン準備」というテーマなど、前日ギリギリまでかかってしまっていることからみて、その最たるものでしょう。このテーマでセッションをするのであれば、もっと事前から取り組んでいるべきなのです。


部下が抱える、「重要」であるが「緊急でない」課題として、どのようなものがあるでしょうか。早速、それをセッションのテーマとして、コーチングをしてみてはいかがですか?

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