コーチングセッションの終わりでは、クライアントに何らかの行動を促し、コミットメントをしてもらうのが基本です。
ところが、なかなかそこまでたどり着けない。そのような悩み、よくあるようです。セッションが堂々めぐりになってしまうと、時間がいくらあっても、「フィニッシュ」できません。困ったものです。
30分のセッションなら、30分で終わらせるように運営する必要がありますね。当然、時計を見て時間を管理します。
クライアントの気持ちに共感し、損得勘定抜きに、さらには時間なんか関係なく、何時間でも付き合ってあげる、というのも一つの考え方ですが、プロコーチとなると、そうも行かないでしょう。
もちろん、本当にそれが必要だと感じたら、そうするのもよいでしょうが、なかなかフィニッシュできず、だらだらと時間ばかりが過ぎ、結果として30分を大幅に超えてしまったとなると、それはやはりマズいですね。
私はどうしているか。
28分くらいまでは、「どうなりたいのか」「どうありたいのか」を徹底的に引き出します。行動の促しなんて、残り2分で十分です。
極端な話、時計を見て28分経ったら、
「おっと、そろそろ時間ですね。で、今週は何をしましょう?」
これでOKです。
何だか、ずいぶんといい加減だなぁ?と思われるかも知れませんね。でも、大丈夫です。その時点で、クライアントが十分に自分の考えを述べ、「ありたい姿」を思い浮かべ、ウキウキ・ワクワク感が盛り上がっているからです。
「行動を促す」からには、「何をすべきか」、行動を決めなければなりません。当たり前のことのようですが、実はこれが落とし穴です。いきなり「何をすべきか」ではなく、まずは「どうなりたいのか」を引き出すべきなのです。
(銀座コーチングスクール代表・森英樹)