あなたと部下の話す割合は、何対何ですか?

部下と何度も対策を話し合っているのに、同じミスが続く。
指示も説明もしているのに、行動が変わらない。
そんなとき、つい「もっと分かりやすく教えよう」と思ってしまいます。
けれど、部下が自分で考え、動き出すきっかけは、上司の"正しさ"よりも、部下が自分の言葉で整理できた時間の中にあることが少なくありません。
今回は、会話の質を変えるためのシンプルな視点として「話す割合」に注目してみます。
10分の会話だとしたら、あなた:部下は何対何?
仮に部下との会話が10分あったとして、あなたが話しているのはどれくらいでしょう?
7分でしょうか、6分でしょうか?
それとも半々くらいかもしれません。
コーチングの考え方では、一つの目安として「あなた:部下=3:7」という比率が挙げられます。
毎回きっちり守る必要はありませんが、「自分はいまどれくらい話しているだろう」と立ち止まって眺めるだけでも、会話の景色が変わり始めます。
部下は"話しながら"自分の答えに近づいていく
人は、考えがまとまってから話すというより、話しながら考えが整理されていくことがよくあります。
言葉にしようとするうちに、曖昧だった原因が見えてきたり、「次はこうしよう」が自然に浮かんできたりする。
だからこそ、上司が先回りして"完成した答え"を渡してしまうと、部下の中でそのプロセスが省略されやすくなります。
その場では理解したように見えても、どこか借り物のままになり、行動に移る力が育ちにくい。
逆に、部下が話す時間が増えるほど、「自分で理解した」「自分で決めた」という手応えが育ちます。
気づきが増え、納得が深まり、次の行動が"自分ごと"になっていきます。
寡黙な部下でも、話す量は増やせます
「でも、うちの部下はあまり話さないんです」と感じる方もいると思います。
けれど、話さないのは"話したくない"というより、話し始める入口が見つからないだけ、ということもあります。
コツは、あなたの「何とかしてあげたい」を、"答えを渡す"よりも、"語るきっかけを作る"ほうに使うことです。
たとえば、会話の入口としては次のような問いかけが役に立ちます。
「今回、どこでズレたと思う?」「次に同じ状況になったら、何を変えたい?」「最初の一歩は何にする?」
そして、問いかけのあとに少しだけ"間"を取ってみてください。
沈黙が出ると、つい言い足したくなるのですが、その数秒を待てるだけで、部下の思考が動き始めることがあります。
うまくいかない日は、"あなたの癖"が顔を出しているだけ
分かっていても難しい日があります。
ついアドバイスしてしまう。
沈黙が怖くて埋めてしまう。
結論を急いでしまう。
これは能力の問題というより、上司として真面目に向き合っている人ほど起こりやすい"癖"です。
だから、「もっと良い質問を覚えなきゃ」と気負う前に、「自分はどこで会話の主導権を握っているかな」と眺めてみるだけでも十分です。
癖に気づけると、選べる行動が増えていきます。
まとめ―会話を変える第一歩は、比率に気づくこと
部下が変わらないとき、上司はもっと頑張りたくなります。
けれど多くの場合、最初に効くのは「自分の話す量を少し減らす」こと。
そして、部下が自分の言葉で整理できる余白をつくることです。
次の面談が終わったあと、ふと思い出してみてください。
「今日は何対何だったかな」と。
それだけで、部下が話し始める瞬間が少しずつ増えていくはずです。
もし「3:7の感覚がつかみにくい」「問いかけても会話が深まらない」「結局、自分が話してしまう」と感じるなら、知識を増やすより先に、"体験して掴む"ほうが早いことがあります。
書籍や動画、社内研修など、学び方はいろいろありますが、もう少し気軽に試したい場合は、無料の体験講座のような場で「聴く」を短時間で体感してみるのも一つの方法です。
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