コーチング導入事例-センコーグループHD株式会社/秋山人材教育部長インタビュー

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     -- センコーグループホールディングス株式会社・社内認定コーチメンバー --
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企業名:センコーグループホールディングス株式会社
業種:陸運業
創業:1916年9月
グループ従業員:17,644名
グループ会社:131社(子会社121社、関連会社10社)
HP:https://www.senkogrouphd.co.jp/about/company/
センコーグループホールディングス株式会社様では、1on1ミーティング(以下1on1)導入において、その推進指導者を公募し、各エリアの銀座コーチングスクールに通学することでコーチング資格を取得。その後、社内で独自研修を実施し、各地において講師活動をおこなう社内認定コーチが誕生します。どのように教育部門と協働体制を作りながら、1on1の実施・運営をされているのか、お話しをお伺いいたしました。

(話し手):センコーグループホールディングス株式会社 人材教育部・部長 秋山 政泰 様
(聞き手):銀座コーチングスクール法人事業部 葉山 みなみ
(取材日):2020年10月23日

◆社内に1on1を導入しようと思った経緯をお聞かせていただけますでしょうか。

秋山.jpg  私が教育部門に来て10年程度経過した頃に、「社内教育の進め方にはセオリーがあり、学ぶ必要があるのではないか?」「先輩方が行ってきた内容の踏襲だけでは、本当に効果的な社内教育は行えていないのではないか?」と疑問を持ちました。そんな折りあるきっかけで、慶応丸の内シティキャンパスで中原淳先生(現:立教大学経営学部教授)が主幹される「ラーニングイノベーション論」に参加したんです。そこで、いわゆる経営理念共有や、経験学習理論など、人材育成には何よりもヒューマンスキルが大切であることを学びました。
 1on1という言葉もそこで初めて知りました。授業を受ける仲間のなかには1on1で有名なヤフーさんの方もいらっしゃいましたので、効果はもちろん、その導入にもご苦労されたことを伺いました。1on1を成立させるためには「心理的安全」の確保が必要であり、上司が部下の内省を支援するためには、コーチングの知識・スキルが必須だとその場で感じました。各事業会社に1on1を展開するためには、各事業会社にコーチングを理解し実践できる人材を配置し、管理職教育や1on1を行う上でのアドバイスを行える人材を育成配置することが、先ずは必要と考えました。

◆銀座コーチングスクールを選んだ理由を教えていただけますか?

秋山3.jpg  社内ではなく、第三者による資格認定が必要と考え、複数社のコーチングスクールを訪問しました。その中で、銀座コーチングさんは全国に教室があり、全国に事業会社を展開する弊社にとっては、ほぼ全員が地元で受講することが可能なこと、資格取得した卒業生がアシスタントとして継続学習できる環境が整備されていること。そして何よりも受講料が他社に比べて廉価であることも銀座コーチングさんを選んだ主な理由です。
 また銀座コーチングさんには、「セッション練習相手求む!」のFacebookグループがあり、コーチングを学んでいる受講生同士が相互に学び合う場が授業時間以外にも用意されているため、コーチングスキルを相互に高め合う主体的な雰囲気にも魅力を感じました。

◆センコーさんは、導入前は、どのような教育環境でしたか?

葉山22.jpg  ここ数年は、管理職やリーダー研修の中で、部下へ内省を促す面談スキル指導を行っているのですが、それ以前はこうしたヒューマンスキル教育は特にはなく、「育たないのは本人の問題」、「俺の背中を見て学べ」でした。ですので、いまでも「部下育成は、自分自身がやってもらったことがないので、部下とはどう接していいか分からない。」との言葉を耳にします。
 こうした取り組みをきっかけに、社会や時代の変化に対応し、個の多様性を認めたうえで、「人を育てる企業グループ」という弊社の経営理念を各事業会社で実現することが我々のゴールです。「人が育つ職場・風通しの良い組織風土」づくりには、管理職やリーダーのコーチングスキルは必須です。コーチングスキルを持った管理職・リーダーのいる職場では、人材の早期育成や定着化が図られるだけでなく、従業員エンゲージメントを高め、結果的に業績にインパクトを与えると考えました。ですので、ここ数年はマネージャー・リーダーの階層別研修には、コーチング的なカリキュラムを意識的に導入しています。

◆社内で1on1を導入する際に、どんなステップで行ったのですか?

秋山11.jpg  1on1が導入された際に、「何、無駄なことやっているんだ!」「いつまで面談してるんだ!」みたいな声が出ると折角の成長機会が台無しになります。先ずは、事業会社のキーマンとなる管理職クラスを対象としたセミナーを、東京・名古屋・大阪・福岡と全国で7回の「1on1セミナー」を開催しました。
 実は、今まで、こうしたセミナーは若手リーダーが受けるものとの印象がありましたので、意図的に部長・課長を中心に参加を呼びかけました。お陰で5割の参加者が課長以上となりました。これからも1on1の導入については、部長・課長クラスの管理職の理解や活動がキーであると考えます。

◆1on1をトライアルで導入していかがですか?

葉山33.jpg  こうした活動は、比較的定性的成果が中心になる傾向があると思いますが、定量成果を見せることが何よりも一番説得力があると考え、1on1のトライアル部門はスタート前からアンケートによるデータ(コミュニケーションの良さを、上司・部下双方に6段階評価他)をとっています。そうしたアンケート結果を時系列で見てみると、やはり1on1を導入した上司部下のペアと、導入するものの、実施が徹底していない(やったり止めたり)上司部下のペアでは、アンケート結果の違いがハッキリでますね。
 今年(2020年度)はデータを集めることと同時に、自社ならではの「このやり方がいいね」などの事例紹介など準備を進めていく予定です。事業会社はまだたくさんありますので、1on1導入希望の事業所のサポート体制を今後更に確立する意味でも、引き続き、銀座コーチングさんには、社内コーチの育成のご支援を頂きたいと考えますので、今後ともよろしくお願いいたします。

◆1on1の効果をどのように感じられていますか?

秋10.jpg  社内認定コーチの数人からは、インタビューを通じて、効果が出ているという話を聞きます。1on1を習い実践した管理職からは、『「1on1を始めたら、部下から色々な意見を聞けるようになった。」それで「それなら、自分でやってみたら?」と部下へ伝えると、その後部下のモチベーションが上がって、今まで以上にイキイキと業務をしてくれている。』というような話を聞きました。また、ある部門長より、『1on1を部門に導入したが、逆にそのことで管理職(上司)が部下について良く理解していない事例を複数聞くなど、上司と部下が定期的に話し合うことは仕事をする上で、とても大切なことだ。また部下側も「話を聴いてもらっただけで、スッキリした。」など、上司・部下ともに相互理解の場になっている印象だ。』などの言葉を私自身も直接聞いています。

◆1on1を広げていく上で、社内コーチを作ろうと考えられたようですが、どのように選抜されたのですか?

 コーチングに興味があり、組織への貢献意欲が高い人に応募して欲しいとの思いから、敢えて社内公募スタイルをとりました。部門を指定して強制的に誰かを出して下さいというスタイルをとらなかったことは、その後の彼(彼女)達の熱心な活動を見ても正解だったと今でも考えております。最初の公募には定員がありましたが、今後は各事業会社のトップが組織変革できる人材を選出してくれます。同じように熱意のある人材が増えることを期待します。
 社内認定コーチは銀座コーチングさんの資格を取っただけでは認定コーチには任命されません。「社内認定コーチ養成研修」を受講し、講師としてのスキルを習得することでスキルアップを図ります。その後、実際に地域で1on1セミナーの講師を務めることで、自己成長はもちろん、組織成長へ貢献できることは、彼(彼女)個人にとって誇らしく、大いなる喜びになると考えます。また、銀座コーチングさんの資格更新要件として、銀座コーチングさんのアシスタントを務めることも社内資格更新条件としておりますので、社内認定コーチのコーチングスキルは確実にアップするものと確信しています。ですので、将来的には、彼(彼女)の中から国際コーチ連盟(ICF)の資格取得者が出るなどしたら素晴らしいですね。何よりも彼(彼女)がチャレンジングな自己成長を楽しんでもらいたいです。

◆秋山さんも銀座コーチングスクールの認定コーチなんですよね。

秋山7.jpg  はい、私は社内では第一号の認定者です。私が1on1の良さを知る上では、コーチングの知識・スキルを持ち、しかも実践している必要があります。しかし、毎月2回部下との1on1を実践していますが、正直なかなか難しいですね。答えは部下に出してもらうことが大切ですし、その場に適した質問もまだまだこれからだな~と自分自身の非力を誰よりも実感しています。
 学習しても時間経過と共に、自然に悪い自分のパターンに戻ってしまうものだとも考えます。アシスタントとして銀座コーチングスクールのクラスに参加するたびに新たな気づきがありますし、定期的に私自身も学ばなければいけないと思います。仕事をする中でオートクライン効果を自分自身感じることが多いです。まさにコーチングを学んだ効果だなって思っています。コーチングって1回受けたから、「はい、身につきました」とはいかない。繰り返しやらないと身につかない。コーチングの進め方はクライアントのタイプやその場の雰囲気など、都度ケースバイケース。問いを用意したから上手くできるというものでもないと、いつも感じます。やはり実践頻度を重ねていくことが大切なのですね。

◆今後の展望をお聞かせください。

弊社は、物流を核に商事やライフサポートなど幅広い事業会社を束ねるグループですので、1on1にもその業態にフィットしたスタイルがあると思います。各事業会社に1on1を展開する為には、これから様々なノウハウが必要と考えます。まずは今年1on1をトライアルした部門をしっかり支援して成果を出すことから始め、アンケートや成功事例などで情報を提供していきたいと考えます。その上で、新たなコンテンツを作成・提供することで、来年(2021年)を目処に、1on1の全社展開の第一歩として社内に情報発信していきたいです。その後、社内認定コーチをはじめ、管理職・従業員など1on1に関わる個人の自己成長が組織成長に繋がり、いずれ事業成長のエンジンになったら私としては非常に嬉しいですね。

インタビューありがとうございました!今後の展開を楽しみにしております!!!



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