目的と目標の違いを押さえる

資格試験の勉強やキャリアの見直し、新しいチャレンジに向けて動き出したとき、「なかなか続かない」「やる気が続かない」と感じることはありませんか?
その背景には、「目的」と「目標」の違いがあいまいなまま進み始めている、ということがよくあります。
コーチングでは、この二つを丁寧に区別しながら、行動や選択を支える土台として大事に扱っていきます。
今回は資格試験を例に、「目的」と「目標」をコーチングの視点からやわらかくひもといてみたいと思います。
「目的」と「目標」、同じようでいて違うもの
私たちは日常の中で、「目的」という言葉も「目標」という言葉も、ごく自然に使っています。
ですが、いざ「その目的は何ですか?」と問われると、少し答えにつまってしまうこともあるかもしれません。
資格試験に取り組もうと決めたときのことを思い浮かべてみてください。
「この資格があれば転職に有利かもしれない」「今の仕事にもっと役立つかもしれない」「将来の選択肢を広げておきたい」
そんな思いが胸のどこかにあったのではないでしょうか。
その「なぜそれをしたいのか」という理由や背景にある思いが、コーチングでいう「目的」です。
それに対して、「いつまでに何をどこまでやるか」といった具体的な到達点を表すものが「目標」です。
似ているようでいて、実は役割の違う二つ。
ここを整理するだけでも、ものごとの見え方が少し変わってきます。
目的は、心の中の「羅針盤」
「目的」は、いわば心の中にある「羅針盤」です。
資格試験であれば、「将来のキャリアの幅を広げたい」「今の自分にもっと自信を持ちたい」「いつか独立を考えるときの土台をつくっておきたい」といった思いが、それにあたります。
この目的は、一日二日で終わるものではなく、少し先の未来を見据えた、とても個人的で長期的な願いです。
忙しい日々の中で勉強時間をつくったり、新しいことを学ぶためにエネルギーを注いだりできるのは、その奥にこうした目的があるからこそだといえるでしょう。
たとえ勉強が思うように進まない日があったとしても、「私がこれをやろうと思ったのは、こういう未来を大切にしたいからだった」と思い出せると、再び立ち上がるための力になります。
目的は、結果だけに振り回されず、自分らしいペースで進むための拠りどころにもなってくれるのです。
目標は、日々の足もとをつくる「小さな足場」
一方、「目標」は、目的に向かって進むための、具体的で現実的な足場です。
資格試験なら、「平日は毎日30分はテキストを開く」「一ヶ月後までにここまで終わらせる」「三ヶ月後の試験で合格する」といった形で、期限や量、到達点が数字や言葉で表されます。
目標があることで、自分がいまどこまで来ているのか、どれくらい前に進んでいるのかを確かめることができます。
少し先の未来を照らしてくれるのが「目的」だとしたら、今日やることを教えてくれるのが「目標」といえるかもしれません。
ただ、目標だけが先行してしまうと、「できたか、できなかったか」だけが気になり、「また守れなかった」「三日坊主だ」と、自分を責める材料になってしまうこともあります。
そこで立ち返るべきなのが、やはり「目的」です。
「何のために、この目標を立てたのか」。
ここを思い出せると、たとえ予定通りに進んでいなくても、「じゃあ、今の生活リズムに合わせて目標を調整してみよう」といった柔らかな発想が生まれてきます。
コーチングは、「目的」と「目標」を行き来する対話
コーチングの場では、クライアントの方と一緒に「目的」と「目標」を行ったり来たりしながら対話を進めていきます。
まずは、「本当はどんな未来を手に入れたいのか」「その未来のどんなところに惹かれているのか」といった、目的に関わる部分をていねいに言葉にしていきます。
資格試験に限らず、仕事のこと、働き方のこと、家族との時間、自分自身のあり方など、話題は自然と広がっていきます。
目的の輪郭が見えてきたところで、「では、その未来に近づくために、これから一か月でどんなことができるだろう」「今の自分に無理なく続けられそうな一歩はどんな形か」といった目標を一緒に考えていきます。
定期的に振り返りをしながら、「うまくいったこと」「つまずいたこと」「工夫してみたこと」を確認し、その人に合ったペースややり方を探っていきます。
必要であれば目標を見直すこともありますし、「そもそもこの目的だったっけ?」と原点に立ち返ることもあります。
この「目的」と「目標」を行き来しながら、自分なりの答えを見つけていくプロセスそのものが、コーチングの大きな価値のひとつだと言えるでしょう。
少し立ち止まって、自分の「目的」を確かめてみる
ここまで読んでくださった今、少しだけ立ち止まって、ご自身に問いかけてみてはいかがでしょうか。
「いま取り組んでいることの、本当の目的は何だろう」「その目的に向かって進むために、どんな目標が自分らしくて、しっくりくるだろう」
頭の中でぼんやり考えるだけでなく、紙に書き出してみると、意外な本音が出てくることがあります。
もし、書こうとしてもなかなか言葉にならないとしても、「うまく言えない」というその感覚自体に気づけたことが、すでに一歩目なのかもしれません。
自分のことは、自分が一番よく知っているようでいて、案外見落としている部分もたくさんあります。
だからこそ、ときどきこうして立ち止まり、「目的」と「目標」を見直してみる時間は、とても贅沢なメンテナンスのようなものなのでしょう。
ひとりで考えるのが難しいと感じたときには
とはいえ、自分のことになると、どうしても考えが堂々巡りになってしまう、という声も多く聞きます。
「こうした方がいいのはわかっているのに動けない」「結局いつも目の前のことに流されてしまう」といった感覚は、とても自然なものですし、それだけ頑張ってきた証でもあります。
そんなときは、コーチとの対話を使ってみる、という選択肢もあります。
銀座コーチングスクールでは、コーチングが初めての方にも気軽に体験していただける「コーチング無料体験講座」をご用意しています。
コーチングの基本的な考え方にふれながら、簡単なワークや質問を通して、「自分の目的や目標を言葉にしてみる」という小さな一歩を試していただける内容です。
オンラインで参加できる回もありますので、ご自身のペースやライフスタイルに合わせて、無理なくご検討いただければと思います。