「信頼」と「信用」の違いとは?日々のコミュニケーションを見つめ直してみる

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「この人は信頼できる」
「あの会社は信用できる」

日常の会話やビジネスの場面で、こんな言葉を耳にすることは少なくありませんよね。

何となく意味の違いを感じながら使ってはいるものの、「では、その二つはどう違うのですか?」とあらためて問われると、言葉にするのが少しむずかしく感じられるかもしれません。

今回は、そんな「信用」と「信頼」の違いを、日々の人間関係に重ねながら、コラムのようにゆったりと紐解いてみたいと思います。

「信用」とは...これまでを見て判断されるもの

まず「信用」という言葉には、これまでの行動や実績に対する「評価」というニュアンスがあります。

約束したことをきちんと守ってきた人。
任された仕事を、期限までにきちんと仕上げてきた人。
数字や成果という形で、結果を出し続けてきた人。

周囲の人は、そうした具体的な行動の積み重ねを見て、「この人になら任せても大丈夫だろう」と感じるようになります。
そこに生まれているのが「信用」です。

言い換えると、信用とは「過去のふるまいを根拠にした、安心感や評価」。
ビジネスでもプライベートでも、この信用を少しずつ積み重ねていくことは、とても大切な土台になります。

「信頼」とは...これからをご一緒したくなる感覚

一方で「信頼」は、少し違う顔をしています。

まだ結果は出ていないのに、「この人なら、きっと良い方向へ進んでいけそうだ」と感じるとき。
うまくいくかどうかは分からないけれど、「この人となら、一緒に挑戦してみたい」と思えるとき。
完璧ではないけれど、「本音で話しても大丈夫」と思える相手がいるとき。

そこには、その人の人柄や価値観、そして可能性に向けた、未来志向の「期待」が含まれています。

信頼は、過去の実績だけでは測りきれない、「この人となら安心して本音で関われる」という感覚の中で育っていくものなのだと思います。

信用の積み重ねが、信頼を育てていく

では、「信用」と「信頼」は、どちらのほうが大切なのでしょうか。
実際には、どちらか一方だけがあればよい、というものではありません。

日々の小さな約束を守る。
言ったことをきちんと実行する。
相手に対して誠実であり続ける。

こうした一つひとつの行動は、すべて「信用」を生み出すふるまいです。
その積み重ねによって、「この人は自分を大切に扱ってくれている」という感覚が生まれ、やがて「信頼」へと育っていきます。

過去に裏打ちされた安心感(信用)があるからこそ、これから先をご一緒したくなる思い(信頼)が生まれる。
両者は切り離された別物というより、時間をかけてつながっていく関係にあるのかもしれません。

コーチングが大切にしている「信頼関係」

コーチングの世界では、コーチとクライアントのあいだに築かれる「信頼関係」が、セッションの土台になります。

クライアントがコーチに対して、「この人になら話してみてもいいかもしれない」と感じられるとき、普段は心の奥にしまっている本音や、うまく言葉にならなかった思いが、少しずつ表に出てきます。

その過程で、自分自身の大切な価値観に気づいたり、「本当はどうしたいのか」が見えてきたり、新しい一歩を踏み出す勇気が生まれたりしていきます。

当然ながら、その土台には、コーチの側の「時間を守る」「話をさえぎらずに聴く」「秘密をきちんと守る」といった、ごく基本的な"信用を生むふるまい"も欠かせません。

小さな信用の積み重ねと、相手の可能性を信じて関わる姿勢とが合わさって、コーチングならではの信頼関係が形づくられているのです。

日々のコミュニケーションを、そっと見つめ直してみる

ここまで読みながら、ご自身のまわりの人間関係が、ふと頭に浮かんだ方もいらっしゃるかもしれません。

この人とは「信用」の段階にいるな、と感じる相手。
一緒にいると、自然と「信頼」を感じられる相手。
あるいは、自分自身が誰かにどのように見られているのか、気になってきた方もいるかもしれません。

とはいえ、いきなり何か大きなことを変える必要はありません。

約束や時間を、今までより少しだけ丁寧に扱ってみる。
相手の話に、これまでより数分だけ長く耳を傾けてみる。

そんな小さな一歩が、やがて「信用」だけでなく「信頼」も育てていくのだと思います。
今日のコラムが、日々のコミュニケーションをそっと見つめ直してみるきっかけになればうれしいです。

実際の対話を通じて体験

コーチングでは、ここまでお伝えしてきたような「信用」と「信頼」の両方を大切にした関わり方を、実際の対話を通じて体験しながら学んでいきます。

文章だけではなかなか伝わりにくい、安心して話せる場の空気感や、聴いてもらえることで自然とことばが出てくる感覚は、やはり体験してみてこそ、腑に落ちるものかもしれません。

銀座コーチングスクールでは、こうしたコーチングの雰囲気に気軽に触れていただける「コーチング無料体験講座」を開催しています。

「信頼関係を育てるコミュニケーションについて、もう少し知ってみたい」「自分の聴き方や関わり方を、少し見直してみたい」と感じたときには、学びの入口として、どうぞお気軽にのぞいてみてください。

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