スポーツの「コーチ」とコーチングの「コーチ」の違いは?
銀座コーチングスクール(GCS)広報チーム あかがわ みさこです。
「コーチ」という言葉を聞いたとき、あなたは誰を思い浮かべますか?
グラウンドで選手を指導するスポーツのコーチ?
それとも、人生やキャリアの悩みに寄り添ってくれるコーチングのコーチ?
実はこのふたつ、どちらも同じ「コーチ」という名前で呼ばれていますが、全く違うアプローチをするのです。
なぜなんだろう?と気になったことはありませんか?
今日は、「スポーツにおけるコーチ」と「コーチングにおけるコーチ」の違いについて深く掘り下げてみたいと思います。
まず、スポーツの世界におけるコーチ。
スポーツのコーチは「選手を勝たせる・強くする」という目的を持っています。
フォームや技術を指導したり、戦術を教えたり、練習メニューを決めたりと、
選手を外側から「こうするといいよ」と導く役割を担います。
答えや方法を「教える人」であり、選手が迷ったときには道を示し、必要に応じて修正もしてくれる存在です。
その為、コーチ自身が知識やスキル、経験を持ち、それを伝えて育てていくのが、スポーツのコーチのあり方です。
一方で、コーチングにおけるコーチは、また違う関わり方をします。
コーチはクライアント(相談者)に対して、基本的に「こうするべきだよ」というような教えることはしません。
コーチングでは、「答えはその人の中にある」という考え方をとても大事にするからです。
たとえば、ある人が「これからどんなキャリアを選ぶべきか悩んでいる」と言ったとします。
スポーツ型の指導者なら、「この道が安定だよ」「こういう資格を取るといいよ」と教えたり、アドバイスをするかもしれません。
でもコーチングのコーチは、「あなたが本当に望んでいることは何ですか?」「どんな働き方が、自分らしいと感じますか?」というような質問を投げかけます。
その質問を通して、クライアントが自分自身の中にある価値観や想いに気づき、自分の意志でどうするかを考え、行動していけるようにサポートしていくのがコーチングにおけるコーチなのです。
では、これほどアプローチが違うのに、
なぜどちらも「コーチ」と呼ばれているのでしょうか?
その秘密は、「コーチ(coach)」という言葉の語源にあります。
コーチという単語は、もともとは「馬車」を意味する言葉でした。
馬車とは「人を今いる場所から目的地まで運んでいくもの」ですよね。
この「目的地まで運ぶ」というイメージが、のちに教育の世界へと広がっていきます。
18〜19世紀ごろには、大学で学生を試験合格に導く家庭教師のことを「コーチ」と呼ぶようになり、更にそれがスポーツの指導者にも使われるようになったのです。
そして現代のコーチングにおけるコーチも、まさにその「クライアントを目的地まで送り届ける馬車」のような存在です。
クライアントが望むゴールを明確にし、そのために必要なことや行動をクライアントから引き出し、自分の足で進んでいけるように、伴走していきます。
スポーツのコーチと、コーチングのコーチ。
アプローチの方法は違っても、どちらも人の可能性を信じ、未来に伴走するという点では同じ志を持った存在であり、どちらもその人を目的地まで連れていくサポーター。
だからこそ、「コーチ」と呼ばれているのです。
どちらのアプローチが正しいという話ではなくて、目的や状況に応じて、「教えること」と「引き出すこと」のバランスを意識して上手く使えるようになると、より深い信頼関係が生まれ、パフォーマンス向上に繋がっていくのではないでしょうか。
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