組織・人事関連用語:サ行

自己効力感

「自己効力感」(self-efficacy)は心理学用語の一つで、何らかの課題に取り組むときに困難な状況であっても、「自分はできる!」「うまくやれそう!」と自分に対して確信、自信といったイメージが持てることをいいます。

「自己効力感」があることによって人は物事に前向きに取り組み、困難にも耐えられるようになります。人は「どうせできない」と考えるよりも「きっとできる」と考えたほうが行動できるように、「自己効力感」は人の行動に大きな影響を及ぼすのです。

では、どうすれば「自己効力感」を高められるのでしょう。
心理学者のアルバート・バンデューラは『四つの情報源』の重要性を説いています。

①実際に達成したり、成功した体験「過去の成功体験」
具体例)
・自分が企画した商品が採用された。
・自転車で日本一周した。
・営業成績でトップになった。

②うまくいっている人の行動をモデルにして自分に活かす「代理的体験」
具体例)
・自分と似た境遇で実際に成功した人がどのように成功したのかを本やネットで知ること。
・会社員をしながら起業で稼いでいるひとの話を見聞きすること。
・尊敬する人の行動パターンを思い出してみる。

③自分に能力があることを言葉にして説明されたり、励まされる「言語的説得」
具体例)
・上司やリーダーからの叱咤激励。
・同僚、スタッフからの勇気づけ。
・家族や友人、知人からの励まし。

④気持ち的に高揚するような行動・経験をする「生理的要因」
具体例)
・カラオケで大声で歌う。
・お酒を飲んで開放的な気分になる。
・映画やお芝居を見る。
・ランニングする。


自己効力感とは、物事に対する捉え方のひとつです。同じ事柄でも「うまくやれそう!」と思うのか、「できなかったらどうしよう・・」と感じるのか、その捉え方によって気持ちも行動も変わってきます。ビジネスにおける成功者の話では、よく「根拠のない自信」といった言葉が登場します。根拠のない自信とはそもそも思い込みからの心理によるもの。思い込みは自分でしかコントロールできません。上記4つの情報源を活かして、根拠のない自信を次のステップにつなげていきましょう。