コーチング導入の効用とは?

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コーチングには、単純にコミュニケーションを改善するという以上の働きがあります。指示命令ではなく、質問によりコミュニケーションを組み立てるため、自ら考え、意欲的に行動する人材の育成にも効果的です。 人を育てるには、権限を委譲し、責任を持って仕事に取り組ませることが必要ですが、権限委譲もまた、コーチングを企業に導入する際の基本的なコンセプトとなります。

コーチング導入の効用とは?

コーチングによるコミュニケーションを導入すると、情報共有が進むだけでなく、主体的に仕事に取り組む部下の育成にも貢献します。「指示命令」のみによるのではなく、「質問」を通じてマネジメントしていくスタイルを根付かせていくと、組織の力は何倍にもなって発揮されていきます。


前回、コーチングというコミュニケーションスキルが注目されている理由について述べました。それは、環境変化の激しい時代にあって、現場の生の情報を正確に把握・共有することが重要となり、社内のコミュニケーション不足は致命傷となり得るからです。その処方箋がコーチングなのです。


しかしコーチングには、単純にコミュニケーションを改善するという以上の働きがあります。指示命令ではなく、質問によりコミュニケーションを組み立てるため、自ら考え、意欲的に行動する人材の育成にも効果的です。 人を育てるには、権限を委譲し、責任を持って仕事に取り組ませることが必要ですが、権限委譲もまた、コーチングを企業に導入する際の基本的なコンセプトとなります。


●権限委譲とコーチング


環境の変化が激しくなればなるほど、意思決定の迅速化が求められます。ピラミッド組織の下部から上部へいちいちお伺いを立てていたのでは、スピードで遅れをとり、ライバルとの競争に勝てません。そこで、現場への権限委譲が必要となってきます。


コーチングには、最も現場の情報を多く持つ者が自ら意思決定して行動するべき、という基本的な考え方があります。現場への権限委譲という時代の要請にマッチしているため、その方向を目指すには、コーチングを社内に導入することが賢い選択となります。


コーチングでは、上司からの指示・命令ではなく、質問により自ら考えさせることが行なわれます。言われたことを言われた通りにやるだけの社員へは、本当の権限委譲をすることはできません。権限委譲の対象となり得るのは、自らの頭で考え自発的行動をとることのできる社員で、その育成のためにコーチングは非常に効果的なのです。


●士気向上とコーチング


コーチングでは、相手に指示命令をするのではなく、質問により相手の中にあるものを引き出していきます。例えば、一つの業務課題に取り組むにあたっても、上からのあてがいぶちではなく、自ら課題を設定して、自らの創意工夫を生かして行動を起こすように促していきます。 人は誰かに無理やり押し付けられるのではなく、自らやると納得して決めた事柄に対しての方が、モチベーション(士気)が高まります。コーチングにはその仕組みが備わっていて、上手に運用することで、社員の士気はグングンと向上していくのです。


●能力発揮とコーチング


社員の能力発揮を促すために企業は色々な手を打ってきました。最近では、部門・部署別の独立採算制や成果主義といった施策が目立ちます。担当する部門・部署、あるいは個人の成果の多寡によって処遇に差をつけることを明示すれば、社員がやる気を出し能力も発揮されるだろうという前提に基づいたものです。 それらに効果がないとは言いませんが、いずれも組織やシステムを対象とした能力発揮促進策です。コーチングがそれらと異なるのは、社員個人に対する直接的なアプローチによって能力発揮を促そうとしている点です。


人材育成に関して最もよく見られる誤った認識は、人は教えられることによって育つというものでしょう。しかし社員が能力を向上させ、それを発揮するようになるためには、自分の頭で考えるというプロセスが不可欠です。教えるのは自分で考えるための前提条件に過ぎません。


コーチングではコーチ役からの質問により、対象者は自分の頭で考えることを促されて、さらにどのような行動をいつまでに起こすのか、自分で決めます。自分で決めるからモチベーションも高まるのです。考え行動するという一連の作業を促すことにより、能力向上とその発揮を促す仕組みが備わっているのがコーチングなのです。


前回は、主に「情報共有」の必要性の面から、コーチングに注目すべき理由を述べましたが、「権限委譲」「士気向上」「能力発揮」の面でも、コーチングには大きな効用があるというわけです。


もしあなたが経営者として今まで、指示命令を中心としたスタイルで社内コミュニケーションやマネジメントを行なってきたとしたら、「権限委譲」「士気向上」「能力発揮」といった面で、実はブレーキを踏んでいたと言えるかも知れません。 頭ごなしの指示命令をするのを控えて、まずは部下に「質問」することをしてみて下さい。


あなたが考えている以上に、部下はいろいろなことをよく考えているのがわかりますし、主体的に考えさせると、さまざまな良いアイデアを持っていることもわかるでしょう。


部下の表情が生き生きとしてきたら、あなたは立派にコーチ役を果たしていることになります。

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第1回  ところでコーチングって何よ?

  • 【1】コーチングはコミュニケーションのスキル
  • 【2】なぜコーチングが機能するのか
  • 【3】コーチングの「よくある誤解」

第2回  5つの基本スキルを使いこなそう!

  • 【1】スキルが狙う効果とは
  • 【2】質問で引き出す
  • 【3】スキルよりも大切なもの

第3回  セッションはこうやって組み立てる!

  • 【1】セッションのストラクチャーとは
  • 【2】セッションを組み立てる3つのモード
  • 【3】ラポールの築き方

第4回  コーチングセッションの真実!

  • 【1】セッションでぶつかる壁とは
  • 【2】視点を移動する
  • 【3】セッションの戦略とは

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第6回  スキル修得の近道は?

  • 【1】実践演習とフィードバック
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