否定しないコーチングと、クリティカル・シンキングは矛盾する?

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銀座コーチングスクール(GCS)広報チーム あかがわ みさこです。
 

「コーチングは否定をしない」というのは、よく耳にする言葉です。コーチングではクライアントの話を否定せず、まずは受け止めることを大切にします。
なぜならそれが、クライアントとの間に「安心感」や「信頼関係」を築き、クライアント自身が本音で話し、考え、答えを見つけていく土台となるからです。

一方で、クリティカルシンキングといわれる「批判的思考」は、物事の前提を疑ったり、別の視点から問い直したりする力のことを指します。

コーチングとクリティカルシンキングは、一見すると相反するように見えるかもしれませんが、実は補い合う関係にあるのです。

クリティカルシンキング(批判的思考)という言葉には、どこか「ダメ出し」や「否定的に見る」といった印象があるかもしれません。
しかし本来の意味は、「物事を鵜呑みにせずに、論理的・客観的に考える思考」のことです。

・前提である事象を疑う
・別の視点で見る
・矛盾がないか検証する
・感情と事実を切り分ける
といった思考のプロセスを丁寧に行う力です。

これは、より本質に近づくために使う「探求的な問い」であり、決して相手や意見そのものを否定するものではありません。
むしろ、クリティカルシンキングの視点を持ったコーチは効果的に相手の思考を深めることができます。

例えば、クライアントが「もう無理なんです」と言ったとき、ただ「そうなんですね」と受け止めるだけではなく、

「どこまでが無理なのか」、「できていることは何か」、「他に選択肢があるとしたら?」
というような問いをすることで、思考の整理ができたり、新たな気づきが生まれる可能性があります。

これらの問いはクリティカルでありながら、相手を否定していません。むしろ、「本当に自分が大切にしたいこと」に近づく助けになります。

コーチングを学びはじめたばかりの頃、「相手を否定しないこと」が先に立ちすぎて、深掘りをする問いができなくなることがあります。
「この質問って失礼かな...」「ちょっとキツいと思われるかも...」と躊躇してしまうのです。

しかし、そんな迷いがあるときほど、「コーチとしてのあり方」が問われます。
相手の思考を本気で応援したいなら、勇気をもって「クリティカルな問い」を投げることも必要です。

優しさと厳しさのバランスを大切にしながら、相手の内側にある答えに寄り添っていくこと。
それが効果的な対話力に繋がります。
だからこそ、コーチングとクリティカルシンキングは補い合う関係なのです。

安心できる場づくりと、鋭い問いのバランス。
本当にクライアントの力を引き出すために、その場を整え、思考に伴走し続けるのが、コーチの役割なのです。

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