ティーチングとコーチングの違い - 人が育つ関わり方とは


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部下や後輩に丁寧に教えているのに、なかなか自分から動いてくれない。
家族のことを思ってアドバイスしているのに、どこか空回りしている気がする。

そんなもどかしさの裏側には、「ティーチング(教える)」と「コーチング(引き出す)」という二つの関わり方のバランスが、少しだけ偏っているのかもしれません。

この記事では、この二つの違いと上手な組み合わせ方についてお伝えします。

ティーチングは「最短距離でゴールに導く」力

私たちは日々、誰かに何かを「教える」場面にたくさん出会います。

新しい仕事のやり方を伝えるとき、ミスを防ぎたいとき、限られた時間で結果を出したいとき。
そんなときに力を発揮するのが、ティーチングです。

「この仕事は、まずこの順番で進めるといいですよ」「ここでは、こういう言い方をするのが基本です」

やるべきことや正解がはっきりしているとき、ティーチングはとても頼もしい手法です。
相手は迷わず行動に移すことができ、結果として短期間で成果につながりやすくなります。

ただし、便利なこの方法にも、気をつけておきたい一面があります。

教える側が先回りして答えを出し続けていると、相手が自分で考える機会が、少しずつ減っていってしまうのです。

最初は「わかりやすい」「助かる」と感じていた部下も、やがて「とりあえず指示を待とう」「自分で考えるより聞いたほうが早い」「余計なことをして注意されるくらいなら、言われたことだけやっておこう」といった感覚になりがちです。

気づいたときには、「言われないと動けない」状態が出来上がっている。
その一端を、実は私たち自身の「教え方」が担っていることも少なくありません。

コーチングは「その人の中から答えを引き出す」力

一方で、コーチングはアプローチの出発点が違います。

コーチングは、問いかけや対話を通じて、相手の中にすでにある考えや気づきを引き出していく関わり方です。

「この仕事を進めるうえで、どんな工夫ができそうだと思いますか?」「いま一番難しいと感じているのは、どのあたりでしょう?」「うまくいった状態を想像すると、どんなことが起きていると思いますか?」
こんな問いかけを受けると、相手は自然と、自分の頭で考え始めます。

最初は戸惑いながらでも、自分の言葉で状況を整理し、アイデアを見つけていくうちに、「あ、こうすればいいのかもしれない」といった小さな発見が生まれていきます。

そして、「自分で考えて、自分で選んだ」という感覚が、そのまま納得感ややる気につながります。

ただ言われたことをこなすのではなく、「自分の選択として取り組んでいる」という意識が育っていくことで、チャレンジが長続きしやすくなり、成長のスピードも変わっていきます。

コーチングは、そんな「内側からの変化」を支える関わり方だと言えるかもしれません。

「教える」と「引き出す」をどう組み合わせるか

ティーチングとコーチングは、「どちらが正しいか」を選ぶものではありません。

ティーチングは、効率よくゴールに向かうための「教える力」。
コーチングは、その人らしい答えや進み方を一緒に探していく「引き出す力」。

どちらも、人が成長していくうえで欠かせない要素です。

たとえば、まったく新しい仕事に取り組む人に、いきなり「どう思う?」「どうしたい?」とだけ尋ねても、なかなか答えは出てきません。

まずは、「この仕事は、こういう目的で、こういう流れで進めます」と、ティーチングで土台をつくることが必要です。
基本的な知識や手順がなければ、スタートラインに立つことさえ難しいからです。

そのうえで、少し慣れてきたタイミングから、問いかけの比重を少しずつ増やしていきます。

「ここから先は、あなたならどう工夫してみたいですか?」「やってみて気づいたことはどんなことでしたか?」
こんなふうに、徐々にコーチングの要素を加えていくイメージです。

「最初は教える」「慣れてきたら引き出す」という流れが整ってくると、相手は「教わる人」から「自分で考え、動く人」へと変化していきます。

同時に、教える側の私たちも、必要以上に細かい指示を出し続けなくてもよくなり、お互いにとって心地よい関係性が生まれていきます。

「教えすぎているかも」と感じたときが、見直しのチャンス

真面目で面倒見のよい方ほど、「自分は教えすぎているかもしれない」と感じることがあります。

相手の力になりたい、失敗させたくないという思いが強いからこそ、つい先回りして答えを伝えてしまったり、相手が考え込んでいると、すぐにヒントを出したくなったり。

気づけば、自分ばかり話していた――そんな経験はありませんか。

そんなときは、「教える」一択ではなく、「あえて問いかけて、少し待ってみる」という選択肢を持ってみるのも一つです。

相手が言葉を探している間の沈黙を、「答えが出ていない時間」ではなく、「考えている時間」として見守れるようになると、会話の雰囲気も変わってきます。

その小さな変化が、部下や家族との関係性を、少しずつ豊かなものにしていきます。

コーチングの本当のよさは、体験してみるとよくわかる

コーチングについて、本や記事で知識として学ぶことはできます。
けれども、実際の会話のテンポや、質問の投げかけ方、沈黙との付き合い方などは、やり取りを「体感」してみることで、ぐっとイメージしやすくなります。

コーチ役の質問を聞きながら、「こういうふうに聴いてもらえると、こんなに話しやすいんだ」と感じてみたり、今度は自分が質問をしてみる側になって、「ついアドバイスが口をつきそうになる瞬間」と向き合ってみたり。

その体験を通じて、「頭ではわかったつもり」と「腑に落ちる感覚」の間にあるギャップが、少しずつ埋まっていきます。

銀座コーチングスクールの「コーチング無料体験講座」は、そんな"最初の一歩"にぴったりの時間です。

約90分というコンパクトな時間の中で、コーチングの雰囲気や学び方を、やわらかく体験していただけるよう工夫されています。

講座の中では、コーチングの基本的な考え方だけでなく、「コーチングって、こういうときに楽しいんだな」「こんなふうに問いかけられると、つい話したくなるな」といった"手触り感"も味わっていただけます。

ふだん何気なくしている自分の会話のクセにふと気づいたり、「いつもの1on1で、この聴き方や質問を試してみたい」と感じるようなヒントも得られるはずです。

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