心理的安全性が低いことで引き起こる4つの不安
心理的安全性とは、個人やグループが意見や感情を自由に表現できる安心な環境のことであり、その結果、組織全体のパフォーマンスが向上し、従業員が生産的で満足した状況で働くことを可能にすることです。
組織の成功にとって重要な要素であり、持続的な利益をもたらすことが期待される中、この環境づくりが進まない要因として、4つの代表的な不安が隠れているそうです。その4つの不安をご紹介します。
その4つとは、「無知だと思われる」「無能だと思われる」「邪魔だと思われる」「ネガティブだと思われる」不安です。
「無知だと思われる不安」があると、メンバーはわからないことを質問・相談できなくなります。それによって、対応の遅れやミスにつながる可能性が高まります。
「無能だと思われる不安」があると、メンバーはミスを報告せずに隠すようになります。それによって問題が隠蔽され、大きなトラブルに発展するまで周囲が気付けない可能性があります。
「邪魔をしていると思われる不安」があると、メンバーは会議などの場で議論が長引いたり脱線したりすることへの批判を恐れて、自発的な発言をしなくなります。それによって、新たなアイデアや有意義な意見が出る機会を逃す可能性があります。
「ネガティブだと思われる不安」があると、メンバー間で指摘や否定を避けるようになります。それによって、改善目的の指摘すらされなくなり、抱える課題が解決されないままになる可能性があります。
成果を出したい従業員の根本的な欲求の中には、「役に立ちたい」という思いがあります。だからこそ、無知な自分、失敗して迷惑をかけてしまう自分、和を乱してしまう自分は許せない、ましてやそんな自分が他人に指摘をして傷つけてしまうことがあってはならないと考えてしまう方がいらっしゃいます。その不安は言葉や態度で伝わるには時間がかかり、急な退職の話から知ることになることも多いでしょう。
上記の環境は失敗してはならない、完ぺきでなくてはならない、正しい答えを言わなくては受け入れられない環境と言わざるを得ません。何が起こるかわからない不確実な時代においては、完璧な環境より、何が起こっているのかを自由に表現できる環境が求められます。それが人を育てることにつながり、さらに強い組織づくりに影響をもたらします。
不安があることを否定せず、不安をどのようにしていくか建設的に話し合える関係づくりを意識していきましょう。