組織・人事関連用語:ア行

エンパワメント

企業や人事用語としては、エンパワメントという言葉は「能力開発」や「権限委譲」と訳されます。

広義の意味では、「人間は一人ひとりが本来素晴らしい潜在能力を有している」という前提のもと、
その力を能動的に引き出し、顕在化させることを意味しています。

従業員のエンパワメントを育てることは、個人の業務遂行や意思決定をする能力が鍛えられ、
さらに集団の能力を引き上げる効果に影響を与えます。スピーディなビジネス展開や自律性の高い
組織づくりを目指すには、このエンパワメントは欠かせません。

リーダーシップやマネジメントに関する研究者のトーマスとベルソース(Thomas & Velthouse,1990)は、
エンパワーメントを「心理的エネルギーが賦与された状態」として説明しています。そして、そのエネルギーを
高めるためには、以下四つの観点の必要性を挙げています。

▼コンピテンス(自己効力感)
自分はやれば出来るという確信の度合い

▼影響感
自分が目的達成に影響を与えられるという確信の度合い
(ただし自己効力感との境界は曖昧とされている)

▼有意味感
個人や集団の理想や基準から判断された目標や目的の価値

▼自己決定感
ある行動に対し、どの程度自己決定したと認識しているかの度合い