俯瞰する力、達観する姿勢


260525gcsj.png




銀座コーチングスクール(GCS)広報チーム 森水三香子です。
 
コーチングを学んでいると、俯瞰という言葉に何度も出会います。

目の前の出来事に入り込みすぎず、少し高い位置から全体を眺めてみる。
相手の言葉、表情、沈黙、その場の空気。
そして、自分の中に起きている反応にも気づいている。

言葉にすると簡単そうですが、実際のセッションの中では、これがなかなか難しいものです。

クライアントの話を聴いていると、コーチの中にもさまざまな反応が起こります。
共感したくなることもあれば、何かを伝えたくなることもあります。
早く助けたい、何か糸口を見つけたいと思う場面もあります。

そんな時に必要になるのが、俯瞰する力なのだと思います。

今、自分は何に反応しているのか。
これはクライアントのテーマなのか、それとも自分の価値観が動いているのか。
この沈黙には、どんな意味があるのか。
クライアントは、何を見つめようとしているのか。

こうした問いを自分の中に持てると、相手に寄り添いながらも、相手の世界に入り込みすぎずに関わることができます。

俯瞰は、生まれ持った才能というより、コーチングを学び、実践を重ねる中で少しずつ磨かれていくものではないでしょうか。
感情を切り離すのではなく、感情が動いている自分にも気づきながら、その場にいる力なのかもしれません。

そして最近、俯瞰とあわせて考えるようになったのが、達観という感覚です。

達観というと、どこか悟ったような、何にも動じない状態を思い浮かべるかもしれません。
でも、コーチングにおける達観は、あきらめることでも、感情をなくすことでもないのです。

人は、すぐには変われないことがあります。
頭ではわかっていても、気持ちが追いつかないこともあります。
同じところを行き来しているように見えて、その時間の中で、少しずつ自分の本音に近づいている場合もあります。

そのプロセスを、急がずに見守れるか。

ここに、コーチとしてのあり方が表れるのではないかと思います。

早く答えを出すよりも、今その人がどこにいるのかを尊重する。
前に進んでいないように見える時間にも、意味があるかもしれないと捉える。
変化を急がせず、その人自身のタイミングを信じて待つ。

もちろん、これがいつも簡単にできるわけではありません。

セッションの中で、つい何かを言いたくなることもあります。
早く気づいてほしいと思ってしまうこともあります。
だからこそ、そのたびに、自分はいま何に反応しているのだろう、と立ち止まることが大切なのです。

俯瞰は、今起きていることを少し高い視点から見る力。
達観は、その人の歩みを、少し長い目で見守ろうとする姿勢。

この二つが重なると、コーチの関わりには少し落ち着きが生まれるように思います。

目の前の言葉だけに反応せず、その奥にある願いや葛藤に耳を澄ませる。
すぐに励ましたり、解決策を出したりするのではなく、クライアントが自分で気づくための余白をつくる。

コーチングとは、相手を変えるための技術というより、その人が自分自身にあらためて出会っていく時間なのかもしれません。

私自身もまだ、俯瞰と達観を行ったり来たりしながら学んでいる途中です。

目の前の相手を信じて関わるために、少し引いて見る力と、少し長い目で見守る姿勢。
その両方を、これからも大切にしていきたいと思います。


 
 

コーチング無料体験講座の
詳細・お申し込み