組織・人事関連用語:カ行

キャリアショック

「キャリアショック」とは、自分が積み上げてきたキャリアや描いてきたキャリアの将来像が、
想定外の環境変化や状況変化によって短期間のうちに崩壊してしまうことをいいます。


変化の激しい時代を生きるビジネスパーソンの誰もが、こうした危機的状況に陥るリスクに
さらされていると言われ、企業の人材マネジメントにおいても、個人のキャリアショック克服を
どう支援するかが重要なテーマとして浮上しています。


そもそも多くの日本人にとって、キャリアとは「積み重ねるもの」「蓄積するもの」といったイメージが
強いのではないでしょうか。そのせっかく積み重ねたものや蓄積したものが陳腐化し、無に帰することへの落胆、
喪失感こそが、キャリアショックを引き起こす要因といえます。


「キャリアショック」という概念を提唱した慶應義塾大学大学院特任教授の高橋俊介氏は、
キャリアを積み重ねたり蓄積したりするものではなく、「つなぐ」ものと考える発想の転換が必要だ、
と述べています(『Think!』2012年秋号)。


過去の仕事から得た経験知は、役割や環境が変わっても、自分の中に個性として身についているはずです。
一つの仕事を続けることに執着するより、過去のキャリアを新しい仕事につなげて、培ってきた個性により磨きをかける。
それこそが、変化の激しい時代に求められるキャリア形成の視点と言えるでしょう。