組織・人事関連用語:カ行

カッツ・モデル

カッツ・モデルとは、ロバート・カッツ氏が提唱した『役職に応じて必要とされる能力』の割合を考える
フレームワークです。人材育成、組織開発の指針づくりや研修内容の設計の際に活用することができます。

カッツの提唱したモデルでは、ビジネススキルと役職をそれぞれ3つに分類しています。
スキルでは、「テクニカルスキル」「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」、
役職においては「トップマネジメント(幹部クラス)」「ミドルマネジメント(中堅管理職)」
「ロワーマネジメント(非管理職)」に分類しています。


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出典元『日本の人事部』マネジメント・管理職に求められるスキル

カッツは経営の舵取りをするトップマネジメントにはコンセプチュアルスキルが、
そして現場で活躍するロワーマネジメントにはテクニカルスキルが重要であると述べています。

■テクニカルスキル
テクニカルスキルとは業務遂行能力のことを示します。現場で実際に遂行する際に必要となる
実践的な知識やスキルのことです。テクニカルスキルの特徴は、業界や部署などの種類により
内容が変わってきます。

スキル例)
ものづくり・販売職:「商品知識」「市場理解」
技術職:「機械操作技術」
営業職:「提案力」「顧客探索力」
教育関係:「指導力」「コーチング力」
福祉関係:「医療知識」「介護保険制度への理解」「介護技術」


■ヒューマンスキル
ヒューマンスキルとは対人関係(構築)能力のことを示します。「他者と良好な関係を築き、
それを維持していくために必要な能力」のことをいいます。たとえば日常業務でのちょっとした
声かけや、部下の教育、商談での信頼関係づくりなどはヒューマンスキルが活躍する主なシーンとなります。

スキル例)
1.コミュニケーション力
2.交渉力
3.向上心
4.プレゼンテーション力
5.動機付け(働きかけ力)
6.ヒアリング力
7.リーダーシップ

■コンセプチュアルスキル
コンセプチュアルスキルとは、「本質を見抜く能力」です。コンセプチュアルスキルに長けた人材は
「ひとつの経験から多数の学びを得ること」ができたり、「一見違う問題に思われるものに対しても
共通点を見出し、解決に導くこと」ができるような特徴があります。

スキル例)
1.ロジカルシンキング(論理的思考)
2.ラテラルシンキング(水平思考)
3.クリティカルシンキング(批判的思考)
4.多面的視野
5.柔軟性
6.受容性
7.知的好奇心
8.探究心
9.応用力
10.洞察力
11.直感力
12.チャレンジ精神
13.俯瞰力
14.先見性