Coach Interview - 野﨑惠子 コーチ(前編)

「きれい」に関わる人たちに光をあてる

 美容系の会社で、さまざまなジャンルの技術者たちに接客を中心とした指導をしている野﨑さん。コーチングを取り入れるきっかけや人を育てる楽しさ、やりがいなどをお話いただきました。
(聞き手:山上 晴美コーチ)

インタビュー

20年、30年、来てくださるお客様

−以前、ブライダル系の仕事をされていたと思いますが、現在もそうですか?

 美容の会社に所属していているので、ブライダルがあったり美容師さんやエステティシャンと接したりしています。そこで、20代からやっているパーソナルカラーの仕事が花開いています。一部署を任されていて、ホテルの中での婚礼を担当していた時もあって、皆さんが思うよりずっと連携作業が必要な婚礼なので、ホテルの中のいろいろな部署とすごい情報共有をしていました。やってみたらそういうことが向いていたと思います。ざっくり言うとブライダル系ということです。
 現在は、スタッフを育てることと美容師さんの色の講師をしています。それと接客です。

−そこでコーチングのスキルが役立っているということですね。

 とても役立っています。パーソナルカラーのことだけでなく、人材募集、面接、その後の研修もしています。

−どの時点でコーチングが必要かもしれないと思ったのですか?

 前に、百貨店に入っていた老舗の美容室の店舗にいたことがあります。お客様は2〜30年通ってくださる方から今日初めて来た方などいろいろで、1日100人くらいいらしていました。それまでも接客はしていたのですが、2〜30年通っているお客様と今日初めて来られた新規のお客様とでは違うこともあると学びました。平等ってなんだろうっていう問いが浮かんだのです。

 それで、当時、クライアントとして受けていたコーチングを今度はコーチ側に立って学びたいと思ったのです。クライアント側の立場だけでは、1日100人のお客様を対応するのは乗り越えられないと思ったのです。どんなふうに接客するのがベストなのかわからなかったのでそれを解決できるのではないかと。

−具体的にはどんなことが課題だったのですか?

  2〜30年来てくださっているお客様のうちのお一人が、ある日予約に遅れてきたことがあって、その時は新規のお客様も大勢いらしていたんです。いつもは5分も待たせないのですがその時はお待たせしてしまいました。でもスタッフの人数も場所も限られているところをどう扱ったらいいか。同じように待ってもらうのが正しいと思っていました。でも、後からそうではないということを先輩から言われて。それを聞いた時に最初は腑に落ちなかったんですが、考えてみると老舗美容室を長年支えてきてくれたお客様。もちろんお店のファンでもある。遅れてはきたけれどここに来たいと思って毎週のように来てくださる。その人にいかに嫌な思いをさせずにスムーズに施術の方に案内しなければいけないか。新規のお客様とは平等感が違うのだということです。

 それが大きなきっかけです。コーチングを学ばないといけない。視点をもっと変えていかなきゃと思いました。



インタビュー

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Profile
野﨑惠子(のざき・けいこ)コーチ
GCS認定プロフェッショナルコーチ
国際コーチング連盟(ICF)Associate Certified Coach(ACC)
7回目の転職で美容業界へチャレンジ、それから19年。色と美容、そしてブライダルのスタッフ育成、研修などをおこなう管理職。毎朝のマインドフルネス冥想を続けて15ヵ月。心の平穏をも作れる、美容業界の心豊かな人材育成をしています。
趣味はコーヒー焙煎店とカフェめぐり。SNSではニックネーム〈海ちゃん〉で活動中。
お客様の声⇒ https://www.reservestock.jp/randing_pages/user_recommend/4981