Coach Interview - 神谷 香 コーチ(前編)

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自分の拠り所は自分の中に

 コーチングの他に臨床心理士と公認心理師として、カウンセリングをしている神谷さん。なぜ人はこうも苦しみを抱えるのかというその現象に関心を持ったことから、探究の旅が始まったそうです。
(聞き手:山上 晴美コーチ)

インタビュー

内側と外側

−前回インタビューさせてもらったのは2019年の2月でしたから、まもなく5年になります。その間のことや関東で最初の地方校である横浜校を立ち上げたことなど伺いたいと思います。当時、マニュアルもない中、ゼロからスタートして大変だったと思います。

 ほんとすごい昔ですね。関東では実質東京本校の次の開校でした。当時認定コーチ大会と呼ばれていた集まりで出会った方が拠点校を立ち上げたいということで、私も乗っていいかなって軽い感じで始まりました。2010年の2月くらいに体験講座をスタートして。運営の難しさを感じながらコーチングのクラスを持つ面白さも感じていました。人に伝えることを通して学びが深まって、自分の足りているところと足りないところとか浮かび上がりました。あそこでコーチングの土台が作られたと思います。まだ講師養成プログラムが始まってなくて一回めのクラスには森さんが来てくれて、私たちは講義をしている森さんのアシスタントとして、演習部分を担当をしてクラスをやっていました。

−講師養成講座が始まる前のことだったんですね。お2人のコンビネーションが楽しかった記憶がありますが、まもなくして運営から退いてしまったときはちょっと意外な気がしました。

 ちょうど、私が臨床心理士の資格をとったのと、もう1人の方も別のやりたいことが見つかったタイミングでこの辺りが潮時かと、横浜校は2016年に葉山みなみさんに引き継いでもらうことになりました。

−そうでしたね。GCSで学び始めた頃は会社員だったということですが、コーチングを学ぼうと思ったのはその時の仕事で生かすためにですか?

 前職で派遣会社の営業マネージャーをしていた時に、派遣の方々から毎晩電話で愚痴を聞いていたんです。営業だから話を聞くんですが、また翌週同じ話がくるんです。この不毛で無駄な時間をなんとかしたくて、何か話の聞き方があるはずだと思って探して、コーチングに行き着いたわけです。それで、対面で学べるところ、職場の中で使うので費用対効果が高いところを探してGCSを見つけました。

−その後聴き方の変化はありましたか?

 はい。聴き方が変わって、聴くことの面白さに触れることができました。それまで、自分ではできているつもりだったけど、実はできていなかったことがわかったし。話を聴くことが面白くて、可能性の予感を感じて、翌年には産業カウンセラーの資格をとりました。その翌年はコーチをつけて、話を聴くということで何か仕事ができないかと思い次の年に会社を辞めました。コーチング以外のことも加えた方が将来独立してからやっていけそうな気がしたからです。コーチングの受け始めは独立するよりも転職して、社内で面接するような仕事ができたらと思っていたのですが、セッションが進むうちに結果として独立することになりました。臨床心理士の資格は開業が軌道に乗って将来的に......なんて両親にチラっと話していたたら、そういうのは早い方がいいと言われたりして、それで私の開業人生が決まったような気がします。

−コーチングだけの時と臨床心理士の資格をとってからの違いはどんなところですか。

 端的に言うとクラインアントが変わって、9割の方がカウンセリングです。看板にはコーチングとカウンセリングと両方出しているので、入り口はコーチングの方もそれなりにいらっしゃいます。でも、初回にお話聞いて「それならカウンセリングからスタートされたらどうですか?」と伝えると「そうですね」と。そのケースが多くなりましたね。

−クライアント自身は、自分はカウンセリングかコーチングかって、どうやって選ぶのでしょうか。

 それですよね。私は、サービスを選ぶ側が必ずしも自分に必要なサービスを適切に選べるとは限らないと思っています。コーチングはアクションを起こして目標を達成することに重きを置くけれど、その前の段階で時間をかけて、例えば3カ月でも1年でも、いい意味でグチャグチャやる時間が必要なときもある。そういうときにサービスを提供する側の責任として相手に何が合っているかをきちっと説明する。そういう感覚があってもいいかなと思います。

−グチャグチャというのは自分の内側との対話ということですか。

 はい。クライアントに説明するときに自分の内か外かと言っています。ダイエットでも転職でも起業でも、自分がアクションして初めて外から見た指標に達することができますよね。でも自分のことが好きか嫌いか、自信があるかないかは端から見てもわからないです。自分でしか査定できないことです。そういう作業をするのにカウンセリングは向いている。成功体験で自信をつけるという方法もありますが、頑張れない自分は認められないということもある。
 自信には2種類あって、自分ができるようになるという、例えば自転車に乗れるようになって10キロ先、100キロ先まで行けるようになるというアクションに対する自信と、自分の内側に対する自信とではアプローチの仕方が違うと思います。外側の自信は小さな成功を積み上げることで具体的にできるようになっていくのですが、自分の中にある不信感とか無力感に対して自信をつけていくのはアクションを取るというより、自分の居場所の問題ではないかと。それが最終的にアクションになるのです。

−なるほど。「成功体験なんて何もない」って、それ自体を感じられないということもあるかもしれませんね。

 そうそう、それなんです。自分の中の何かが行き詰まっているわけです。成功に対して執着しているというか、もっとやらないといけないとか。こんな程度ではダメだって。そう思うと余計に苦しい。その苦しみはそもそもどこから生まれているのか。そいうことがカウンセリングでできることです。それは別に病んでいるとか病んでいないという物差しでは適切に測れることではないと思います。

−自分は果たして病んでいるのかということは自分では判断しにくいと思いますが、心理士としてのアプローチの仕方がわかりました。コーチたちにはGCSのゼミナールでそれを伝えているのでしょうか?

 はい。GCSのゼミナールは「コーチングとカウンセリングの違いと注意点」というタイトルでやっています。コーチングの認定を取ったり取りつつあるけれど、カウンセリングの方も気になったりという方、クライアントによってはこういう知識が必要かもと思ってくれた方などが集まってくださっています。心理士がセッションでやっていることや気をつけながらクライアントを観察していることとか。困った状況になった時のアクションとかを4回シリーズで伝えています。
 あと、「プロコーチの会」というプライベートな勉強会もしています。コーチの皆さんが集まって自然発生的に出たお題を扱ったり、私が決めたりしながら。前はリアルにお菓子を持ち寄って話していましたが最近はオンラインでやることもあります。セッションにおける困り事や自分が働いていて困っていることとか、コーチとしてやっていくにはどうしたらいいかとかいう話です。クライアントへの対応やセッション中の困り事などですね。そういう相談はプロコーチの会だけでなくよくあります。

 

インタビュー

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Profile
神谷 香(かみや・かおり)コーチ
GCS認定プロフェッショナルコーチ
公認心理師
臨床心理士
2010 年1月に対人支援(コーチングとカウンセリング)を主たる業務とし東京都新宿区にて個人開業。開業と並行して臨床心理学研究科に在籍、臨床実習先の大学病院にて先天性心疾患の方々へのカウンセリングを経験。現在は個人クライアントへのコーチングとカウンセリングを中心に、対人支援職への技術指導を含むコンサルテーションや教育カウンセリング、事例検討会等による専門職支援のほか、クリニックにてドクターからのリファーラル対応として先天性心疾患をもつ方々のカウンセリングも担当。
〈主なテーマ〉
・慢性的または反復する抑うつ、不安や睡眠の不調、不定愁訴含むストレス反応など医療との連携を視野にいれたテーマ
・「自信がない」「感情コントロールが苦手」「対人関係の築きづらさ」など生きづらさにかかわるテーマ
・メンタルヘルス不調の人を支える人からのご相談 など
アトリエ南風ホームページ:https://www.atelier-minami-kaze.com/
ブログ『ひとしずくの純金』:https://ameblo.jp/k-to-u/(毎日更新中)


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