Coach Interview - 河西香菜子 コーチ（前編）神楽坂C代表

　起業家育成から企業の事業創造、さらに東洋思想や精神性の世界を深めている河西さんに、人間探究のさまざまな入り口から見た共通点やコーチのあり方についてうかがいました。
（聞き手：山上 晴美コーチ）

ーー 久しぶりにお話をうかがいます。前回は確か神楽坂クラスを立ち上げた頃でした。あれから4年経って、変化したこともあると思います。現在の活動のことをお聞かせいただけますでしょうか。

　今は、クラス運営の他に企業の新規事業のコンサルタント、パーソナルコーチング、 エネルギーワークなどスピリチュアル的なこともさせていただいています。 GCSに関連した話でいうと、ICF資格試験の評価採点のためのトレーニング（PCCマーカー）の取得やメンターコーチングなど、ICF資格取得を目指す皆様へのサポート体制を強化することにも注力しています。

ーー PCCマーカートレーニングを取得して河西さんはどんなことが変わりましたか。

　コーチング指導者としての自覚と自信がついたと思います。トレーニングでは、コーチングをより効果的に進めるための技術や考え方を深く知ることができましたし、改めてコーチング上達のために何が必要かを自分なりに再構築するきっかけになりました。

　私は、人間がどんな仕組みになっているかを知ることがとても好きで、ICFの上級レベルになればなるほど、単に目標設定してそこに到達することを目指すのではなく、「人間とは」と言うことについて改めて考えさせられます。

ーー 上級レベルになるほど、人間について考えるのですね。人間探究の最も面白い点はどこだと思いますか。

　人間を知るということは同時に自分を知ることでもあると思います。
　私は古神道を学んだのですが、自分というものを紐解いていくと、家系のことや親はどんな人間だったのかとか、どんな地域で生きてきたのかということにも関わってきます。自分の DNA を作っている一つのパーツという意味で、「日本人とは何なのか」という、日本や世界の歴史や宗教観にまで遡ることができます。古神道をベースにして新しい自分を知ることができるという面白さを感じています。

　また別の側面では、この地球上に生きている私たちや自然とはどういうものかとか、地球と物理、量子力学とはどういうものなのか。宇宙とは何かとかそれらも含めて全部自分に繋がっていくこと。その学びが繋がっていき、さらに紐解いていくと人間学になり、東洋でいう運命学とかになっていると思うのです。人間のことは深すぎて面白いです。

　セッションでは、人間とは何かということをコーチングの切り口で質問して紐解いていくということになります。大きな背景の中でどんな質問をどういう観点でしていくかということが、いいコーチになるための秘訣の1つではないかと思います。

ーー とても深いですね。

　深いですよね。PCCマーカーの学びにはその片鱗がきっちりと書いてあって、その人の思考や国籍や生き方や心理など、そういうところまで全て触れるようにコーチングをしていくべきであると言っています。
　私はコーチングを学んだ時に、特に人との関わり方にものすごく変化が起きたのです。それで、人間とは何かということをかなり勉強してからパーソナルセッションに向かって厚みが出たような気がします。その方の深いところまでお話を聞くことができるようになったというのも一つです。それは PCC を学んでいく中でもできていくと思うので、コーチングを学んでいくとそういうことに繋がっていくのだと思います。

ーー それまで解せなかった、自分の感情などもわかってくると面白いし、楽になって満たされた感があるのではないでしょうか。

　本当に。生きやすくなるし幸福度も高まると思います。満たされた感じはもう断然違います。コーチングを学び始めた時も変わりましたけれども、それは入り口だったのだと思います。そこからさらに広い世界、深い世界、幸福な世界があるということを感じましたね。皆さん、きっとそうだと思います。
　スピリチュアル的なセッションも、基本的にはコーチングを使うのですが、インナーチャイルドとか心理学的な話や魂の話やや量子やエネルギーという観点のお話をコンサル的にお伝えすると時間も取ったりしています。

ーー 私には、コーチングの勉強をしたいとかコーチングを受けたいという方とスピリチュアルなことに興味を持つ方々は別の層のようなイメージがあったのですけれども。

　私の周りにはコーチングを勉強してから目に見えない世界のことを学び始めた方が結構多いです。コーチングを学ぶ方々の中にも、目に見えない世界を知りたいと言われる方が多くなっています。

ーー アプローチ方法が違うだけで大元にあるものが同じなのかもしれませんね。

　入り口が違うだけで、同じところに到達するのではないかと思います。今年はじめに大規模なイベントで、日本人が古来から持っている精神性のことをお話しさせていただきましたが、コーチングとつながるところがあると思います。と言うのは、そもそも古来の日本人は八百万の神というようにすべての人を等しく神と見立てていましたが、コーチングの常に誰でも認めニュートラルでいる。差をつけずにフラットな状態で人を見ていくという精神性は、元々日本人が持っていたものです。コーチングの表現ではニュートラルと表しますが同じものではないかと思います。