当スクールにおけるAI活用に関するガイドライン

  1. 当ガイドラインの目的
    • 当スクールでは、コーチング実技試験およびメンターコーチングの質向上、学習支援、評価の客観性向上、フィードバック品質の向上を目的として、必要に応じてAIを補助的に活用する場合があります。
    • また、受講者、認定試験受験者、メンターコーチングのメンティー、講師、実技試験アセッサー(以下、アセッサー)、メンターコーチが、学習・振り返り・評価・フィードバック・メンターコーチング準備等を目的として、AI文字起こしサービス等を利用する場合があります。
    • 当ガイドラインは、AIを活用する際の基本方針、留意点、個人情報・機密情報の取り扱い、同意取得、AI出力の限界について定めるものです。
    • AIは、セッション内容の文字起こし、整理、要約、観察ポイントの抽出、フィードバック作成の補助などに用いられることがあります。ただし、AIは人間の講師、アセッサー、メンターコーチの専門的判断を置き換えるものではありません。
    • 講師による指導、実技試験における合否判断、評価、メンターコーチングにおける助言、フィードバックは、当スクールが定める基準に基づき、担当する人間の講師またはアセッサーまたはメンターコーチが責任をもって行います。
    • AIがクライアントに直接問いかける、コーチングを提供する、行動を促す等の用途については、より高度な検討が必要となるため、当ガイドラインの対象外とします。
  2. AIを活用する可能性がある場面
    • AIは、以下のような場面で補助的に使用される場合があります。
      ・コーチングセッションの録音・録画データからの文字起こし作成
      ・文字起こし内容の整形、要約、発話内容の整理
      ・セッション内での質問、傾聴、フィードバック、目標設定、行動化支援などの確認補助
      ・発話者ごとの発話量、発話時間、会話占有率、発話割合等の算出
      ・コーチング実技試験の録音・録画・逐語録の確認補助
      ・コーチングコンピテンシーに関連する観察ポイントの整理
      ・メンターコーチングにおける振り返り材料の作成
      ・メンティー自身の学習課題や成長ポイントの整理
      ・アセッサー・メンターコーチがフィードバックを作成する際の参考情報の整理
      ・メンターによるメンティーのセッション確認補助
      ・受講者・メンティー自身によるセッションの振り返り
    • AIによって作成された文字起こし、要約、分析結果、コメント、会話占有率等の数値は、あくまで参考情報であり、それら自体を評価結果や指導内容として確定するものではありません。
  3. AI活用の基本方針
    • 当スクールでは、AIを以下の方針に基づいて活用します。
    • 1)AIの活用は学習者の成長支援を目的とします。
      AIを、受講者、認定試験受験者、メンティーを機械的に判定するためではなく、より具体的で建設的なフィードバックを行うための補助として使用します。
    • 2)AIによる文字起こし、分析、コメント、数値算出には限界があることを前提とします。
      AIは文脈、感情、関係性、沈黙の意味、非言語情報、クライアント固有の背景を十分に理解できない場合があります。そのため、AIの出力は人間の専門的判断によって確認されます。
    • 3)評価やメンターコーチングにおいては、公平性、守秘義務、倫理性を重視します。
      AIの利用により、受講者、認定試験受験者、メンティー、クライアントが不利益を受けないよう配慮します。
    • 4)受講者・メンター自身がAI文字起こしサービス等を利用する場合も、守秘義務、個人情報保護、クライアントへの説明と同意、データ管理に十分配慮するものとします。
  4. クラス指導・実技試験・メンターコーチングにおけるAI活用について
    • クラス指導・実技試験・メンターコーチングにおいてAIを使用する場合、AIは主に講師・アセッサー・メンターの確認作業を補助する目的で使用されます。
    • AIは、録音・録画データから文字起こしを作成したり、文字起こし記録をもとに、セッション中の発話内容、発話量、会話占有率、クライアントのテーマや目標の扱い方、コーチの関わり方、質問の傾向、コーチングの特徴、強み、改善の可能性がある点、振り返りの問いなどを整理するために用いられることがあります。
    • ただし、AIによる文字起こしや分析には誤りが含まれる可能性があります。そのため、講師・アセッサー・メンターコーチは録音・録画、AIによる文字起こし結果および分析結果を確認し、総合的に判断します。
    • 講師やメンターコーチによる観察結果やフィードバック、実技試験の合否や評価結果は、AIが自動的に決定するものではありません。最終的な判断は、当スクールが定める評価基準に基づき、講師・アセッサー・メンターコーチが責任をもって行います。
  5. 個人情報・機密情報の取り扱い
    • コーチングセッションには、クライアントやコーチ自身に関する個人情報、業務上の情報、心理的・感情的に繊細な内容が含まれる場合があります。
    • AIを活用する場合、録音・録画データ、文字起こしデータ、要約、分析結果、評価補助資料等が取り扱われることがあります。当スクールは、対象となるデータの範囲、利用目的、閲覧可能な関係者、保存方法、保存期間、削除方法、外部サービス利用の有無等について、必要な範囲で適切に管理します。
    • 講師、アセッサー、メンターコーチは、オブザーブセッション・実技試験・メンターコーチングに提出・使用する録音、録画、逐語録、文字起こしデータ、記録等について、提出者の同意を取得し、守秘義務に十分配慮します。原則として、GCSのサービス利用者については、当該サービス申し込み時にウェブページ等にて説明文を提示し同意を取得するものとします。
    • 提出物やAIに入力するデータには、可能な範囲で以下の情報を含めない、または削除・仮名化してください。
      ・氏名
      ・会社名・部署名
      ・連絡先
      ・住所
      ・取引先名・顧客名
      ・売上・人事・評価・採用・異動等の機密情報
      ・病歴、心理的問題、家族関係など繊細な個人情報
      ・その他、本人や所属組織を特定できる情報
    • 録音済みデータを用途とデータ管理条件を確認できる生成AIにかける場合でも、文字起こし後に固有名詞や機密情報を削除・置換してください。
      例:
      ・「山田さん」→「Aさん」
      ・「株式会社〇〇」→「勤務先」
      ・「営業部」→「所属部署」
      ・「〇〇病院」→「医療機関」
  6. AI環境の種類によるリスク水準について
    • AI文字起こしサービスや生成AIサービスは、個人向けの汎用AI、個人向けAI機能付きSaaS、法人契約により管理されたAI環境、契約上データ保持や学習利用が制御された環境、閉域・分離されたAI環境など、利用環境によってデータ管理の水準が異なります。
    • 実セッションの録音、文字起こし、評価情報、クライアントに関する情報を扱う場合は、可能な限り、データ保持、削除、アクセス権、学習利用、第三者提供等を確認できる管理された環境を利用します。
  7. Zoom等の自動機能への注意喚起
    • Zoom、Google Meet、teams等のオンライン会議ツールには、自動字幕、文字起こし保存、録画、AI要約、AIノート等の機能が含まれる場合があります。これらの機能が自動的に開始される設定になっていないか、録音・録画・文字起こし・要約が保存または共有される設定になっていないか、利用前に確認してください。
    • 特に、AI要約やAIノート、自動共有、リンク共有が有効になっている場合は、クライアントの同意範囲を超えて情報が保存・共有される可能性があります。
  8. AIによる文字起こし・評価・分析の限界
    • AIは、録音・録画データをもとにセッションの文字起こしを作成したり、コーチングセッションの特徴を整理したりすることができます。ただし、AIによる文字起こしや評価・分析には以下のような限界があります。
      ・音声の聞き取り誤り、発話者の取り違え、言いよどみや沈黙の誤認識が生じる可能性があります。
      ・専門用語、固有名詞、方言、早口、小さな声、音質不良などにより、文字起こしの精度が低下する場合があります。
      ・相づち、短い反応、重なり発話、無音時間の扱いが正確でない場合があります。
      ・発話者ごとの発話量、発話時間、会話占有率、発話割合等の数値が誤って算出される場合があります。会話占有率等の数値は、あくまで参考情報として扱います。
      ・コーチとクライアントの関係性の深さを完全には判断できません。
      ・クライアントの内面的な変化や学習の質を完全には把握できません。
      ・沈黙、間、声のトーン、表情、場の空気などを十分に評価できない場合があります。
      ・コーチングの文脈やクライアント固有の背景を誤って解釈する可能性があります。
      ・AIの学習データや設計に起因する偏りが含まれる可能性があります。
      ・ICFコア・コンピテンシー等に関する評価においても、AIの出力が常に正確とは限りません。
    • したがって、AIが生成した文字起こし、要約、コメント、分析結果、会話占有率等の数値は、講師・アセッサー・メンターコーチが確認し、修正・補足したうえで使用します。
  9. 受講者・認定試験受験者・メンティー自身によるAI文字起こしサービスの利用について
    • 受講者・認定試験受験者・メンティー自身が、コーチングセッションの振り返り、学習、メンターコーチング、評価準備等を目的として、AI文字起こしサービスを利用する場合があります。
    • この場合も、コーチングセッションには、クライアントの個人情報、業務上の情報、心理的・感情的に繊細な内容が含まれる可能性があるため、守秘義務、個人情報保護、クライアントへの説明と同意、データ管理に十分配慮してください。
    • AI文字起こしサービスを利用する前に、以下を確認してください。
      ・クライアントから、録音・文字起こし・AI利用について必要な同意を得ていること
      ・個人情報や機密情報をできるだけ含めないこと
      ・保存データおよび通信経路が適切に保護され、安全な認証方式が利用されているのを確認すること
      ・利用するAIサービスのデータ保存・削除・第三者提供・学習利用の扱いに情報漏洩のリスクはないかを確認すること
      ・入力した音声データや文字起こしデータが、サービス提供会社のAI学習に使われない設定にすること
      ・データの保存先、保存期間、削除方法を明確にすること
      ・データへのアクセス権限、URL共有やクラウド保存の公開範囲を明確にすること
      ・会社名、氏名、連絡先、機密情報などが含まれる場合、そのデータを当該サービスで処理してよいか、同意範囲やデータ管理条件等に照らして確認すること
      ・利用目的を、学習・振り返り・メンターコーチング・評価準備等の必要な範囲に限定すること
    • 利用条件やデータ管理方針が確認できないAIサービス、または入力データがAI学習に利用される可能性が高いサービスは、利用を避けてください。
    • 文字起こし結果については、下記を留意してください。
      ・AI文字起こし結果を過信しない
      ・誤りがある前提で確認する
      ・文字起こしデータを不要に共有しない
      ・学習目的を超えて利用しない
      ・不要になったデータは削除する
  10. クライアントへの説明と同意
    • セッション録音をAIで文字起こしする可能性がある場合は、事前説明を行い、クライアントの同意を得てください。
    • 説明に含めるべき内容は、以下のとおりです。
      ・セッションを録音すること
      ・録音データをAI文字起こしサービスで文字起こしする可能性があること
      ・利用目的は、コーチ自身の学習、実技試験準備、メンターコーチング、振り返り等であること
      ・文字起こし結果は、必要な関係者以外には共有しないこと
      ・可能な範囲で個人情報や機密情報を含めないよう配慮すること
      ・同意しない場合でも不利益がないこと
    • クライアントへの説明文例
      本セッションは、私自身の学習・振り返り・メンターコーチング・実技試験準備等の目的で録音させていただく場合があります。また、内容確認のため、AI文字起こしサービスを利用して文字起こしを作成する場合があります。録音データおよび文字起こしデータは、上記目的の範囲でのみ使用し、必要な関係者以外には共有しません。可能な範囲で、氏名・会社名・連絡先等、個人を特定できる情報や機密情報を含めないよう配慮いたします。
  11. 使用を避けるべきケース
    • 以下の場合は、AI文字起こしサービスの利用を避けるか、事前に事務局、責任者、担当講師、メンターコーチに相談してください。
      ・クライアントからAI利用の同意が得られていない
      ・セッションに高度な機密情報が含まれる
      ・クライアントの所属企業や取引先の内部情報が含まれる
      ・医療、心理、法務、人事評価、ハラスメント、労務問題等の繊細な内容が含まれる
      ・利用するAIサービスのデータ管理方針が不明確
      ・入力データがAI学習に使われる可能性がある
      ・録音データや文字起こしデータの削除方法が確認できない
  12. 同意について
    • 当スクールがAIを活用する場合、受講者、認定試験受験者、メンティーには、AI利用の目的、範囲、限界、データの取り扱いについて、ウェブページへの記載または口頭にて事前に説明します。
    • 受講者、認定試験受験者、メンティーは、当ガイドラインの内容を確認したうえで、AIの補助的活用に同意するものとします。
    • クライアントとのセッションの録音・録画・文字起こし等を提出する場合、またはAI文字起こしサービス等を利用する場合には、受講者、認定試験受験者、メンティーの責任において、クライアントから必要な同意を取得してください。
    • 同意が得られない場合、またはAIの使用を希望しない事情がある場合には、事前に当スクールへ相談してください。可能な範囲で代替手段を検討します。
  13. 公平性と異議申し立て
    • AIの分析結果には、誤りや偏りが含まれる可能性があります。当スクールでは、AIの出力のみを根拠として、受講者、認定試験受験者、メンティーに不利益な判断を行うことはありません。
    • 実技試験の評価結果やメンターコーチングにおけるフィードバックについて疑問がある場合、受講者、認定試験受験者、メンティーは、当スクールに対して確認や再検討を求めることができます。
    • その場合、当スクールは、必要に応じて評価基準、アセッサーの判断、AI分析結果の扱いを確認し、適切に対応します。
  14. 禁止事項
    • 以下の行為は禁止します。
      ・クライアントの同意なく、セッション音源をAI文字起こしサービスに入力すること
      ・同意範囲を超えて録音・録画・逐語録等をAIに入力すること
      ・機密情報や個人情報を不必要にAIへ入力すること
      ・データ管理方針が不明なAIサービスを利用すること
      ・AI文字起こしの結果を、確認せずに正式なものとして扱うこと
      ・AIが算出した発話量・会話占有率のみで、コーチングの質を判断すること
      ・AIの出力のみを根拠に評価、合否、指導方針を決定すること
      ・AI文字起こしデータやAI分析結果を関係者以外に共有すること
      ・学習・メンターコーチング・評価等の目的を超えて利用すること
      ・不要になった音声データや文字起こしデータを放置すること
      ・AIの判断を絶対的・客観的なものとして説明すること
      ・AIの出力を用いて、受講者、認定試験受験者、メンティーを不当にラベリングすること
  15. 受講者・認定試験受験者・メンティーへのお願い
    • AIを活用した文字起こし、分析、フィードバックは、皆さんの成長を支援するための補助的な材料です。AIのコメントや数値をそのまま正解と捉えるのではなく、自身のコーチングを振り返るための一つの視点として活用してください。
    • 特にメンターコーチングでは、AIの指摘内容よりも、メンターコーチとの対話を通じて、自分のコーチングの意図、選択、関わり方、クライアントへの影響を深く探究することを重視します。
    • AIの活用に不安や疑問がある場合は、遠慮なく担当講師、メンターコーチ、または事務局にご相談ください。
  16. 同意確認
    • 受講者・認定試験受験者・メンティーは、受講申込・コーチング実技試験の受験申込・メンターコーチングの申込を行うことにより、当ガイドラインの内容を確認し、同意したものとみなします。
    • 受講者・認定試験受験者・メンティーは、クラスでの学習およびコーチング実技試験およびメンターコーチングにおいて、当スクールが学習支援、評価補助、フィードバック品質向上を目的として、AIを補助的に活用する場合があることを理解するものとします。
    • AIによる文字起こし、要約、分析結果、コメント、発話量・発話時間・会話占有率等の数値には誤りや偏りが含まれる可能性があり、それ自体が最終的な評価結果や指導内容として確定するものではないことを理解するものとします。
    • 実技試験の合否や評価結果、メンターコーチングにおける助言・フィードバックは、当スクールが定める基準に基づき、担当するアセッサーまたはメンターコーチが専門的判断により行います。
    • 受講者・認定試験受験者・メンティーは、自身でAI文字起こしサービス等を利用する場合も、クライアントの同意、守秘義務、個人情報保護、機密情報の取り扱いに十分配慮するものとします。
    • 提出または使用する録音・録画・逐語録・文字起こしデータ・記録等について、クライアントの同意を取得し、可能な範囲で氏名、会社名、連絡先、その他本人を特定できる情報や機密情報を含めないよう配慮するものとします。
    • AIの活用に不安や疑問がある場合、またはAIの使用を希望しない事情がある場合は、申込前または提出前に、当スクール事務局、担当講師、またはメンターコーチに相談してください。可能な範囲で代替手段を検討します。