コーチングにおける「褒める」と「認める」の違いとは?

銀座コーチングスクール(GCS)広報チーム 赤川美佐子です。
コーチングを学び始めると、「認める」または「承認」という言葉を耳にする機会が増えます。
その際によくいただく質問が、
「褒めることと認めることは何が違うのですか?」
というものです。
どちらも相手を前向きな気持ちにする関わりですが、コーチングでは「褒める」よりも「認める(承認する)」ことを大切にしています。
なぜなら、この二つには大きな違いがあるからです。
◆「褒める」とは評価を伝えること
褒めるとは、相手の行動や成果に対して、自分の評価を伝えることです。
例えば、
「すごいですね。」
「よく頑張りましたね。」
「素晴らしい成果ですね。」
「さすがですね。」
こうした言葉をかけられると、
嬉しい気持ちになりますし、自信につながることもあります。
部下の育成や子育て、教育の場面でも、褒めることは相手のやる気を高める有効な方法として活用されています。
一方で、「評価」が含まれているという特徴もあります。
つまり、「褒められること」が目的になってしまうと、
「もっと褒められたい。」
「失敗したら評価が下がるかもしれない。」
「期待に応えなければ。」
というように、相手が他者の評価を基準に行動するようになる可能性があります。
◆「認める」とは事実を受け止めること
一方、認める(承認する)とは、
相手を評価することではありません。
相手の存在や努力、変化、価値観、行動を、良い・悪いと判断せずに、そのまま受け止めて伝えることです。
例えば、
「最後までやり切りましたね。」
「以前より落ち着いて話せるようになりましたね。」
「その決断をご自身でされたのですね。」
「そこを大切にされていることが伝わってきました。」
「勇気を出して話してくださいましたね。」
ここには、「すごい」「偉い」といった評価の意味合いはありません。あるのは、相手の事実をそのまま映し出す姿勢です。
だからこそ、相手は
「自分はちゃんとできている。」
「自分で成長している。」
と、自分自身で実感しやすくなります。
◆コーチングで「認める」が大切な理由
コーチングの目的は、コーチが答えを与えたり評価したりすることではありません。
クライアントが、自分で考え、自分で気づき、自分で行動できるようになることです。
そのため、コーチが「すごいですね!」と
評価するよりも、
「ここまで継続されたのですね。」
「その経験から学びを見つけられたのですね。」
と承認するほうが、クライアント自身の内側から自信が育っていきます。
だからこそ、コーチングでは「評価」ではなく、「認める」を重視するのです。
◆「認める」にはさまざまな形がある
認めるというと、「言葉をかけること」だけをイメージする方もいます。
しかし、実際にはそれだけではありません。
例えば、
相手の話を最後まで遮らずに聴く
相手の表情や変化に気づく
相手の価値観を尊重する
小さな成長や努力に目を向ける
存在そのものを大切に扱う
これらもすべて「認める」です。
「あなたを見ています。」
「あなたを大切に思っています。」
そんなメッセージが伝わる関わり方そのものが、認めることなのです。
◆日常でも意識したい「認める」関わり
仕事でも家庭でも、
私たちはつい評価を伝えがちです。
もちろん褒めることが悪いわけではありません。
相手を励ましたり、自信につなげたりする場面では、褒めることが効果的なこともあります。
ただ、もし相手の主体性や自己肯定感を育みたいのであれば、「認める」という視点を少し意識してみてください。
◆最後に...
「褒める」と「認める」は似ているようで、
本質は異なります。
褒めることは、相手への評価。
認めることは、相手の存在や努力、変化をそのまま受け止めることです。
コーチングでは、コーチが評価者になるのではなく、クライアントの可能性を信じ、ありのままを承認する存在であることが求められます。
今日からぜひ、「褒める」だけでなく「認める」という関わりも意識してみてくださいね。
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