聞くと聴くの違いとは?「聴く力」を見直すポイント

銀座コーチングスクール(GCS)広報チーム 赤川美佐子です。
コーチングを学び始めると、必ずと言っていいほど出てくる言葉があります。
それが「聞く」と「聴く」の違いです。
漢字が一文字違うだけですが、この違いはとても大きな意味を持っています。
私自身もコーチになりたての頃は、
「ちゃんと話を聞いているつもりなのに、なぜ相手が話しにくそうなんだろう?」
と思うことがありました。
相づちも打っている。
うなずいている。
質問もしている。
それなのに、どこか会話が深まらない。
振り返ってみると、私は「聞いて」はいても、「聴けて」はいなかったのです。
◆「聞く」は音や言葉を受け取ること
「聞く」は、耳に入ってきた情報を受け取ることです。
例えば、
「今日暑いね。」
「昨日こんなことがあってね。」
という会話を聞くことはできます。
もちろん、それだけでもコミュニケーションは成り立ちます。
しかし、「聞く」は情報を受け取ることが中心です。
一方で、コーチングで大切なのは「聴く」です。
◆「聴く」は相手の世界を理解しようとすること
「聴く」という漢字には「耳」だけでなく「目」や「心」が含まれています。
つまり、
・どんな表情をしているのか
・どんな声のトーンなのか
・どんな言葉を選んでいるのか
・何を言って何を言わなかったのか
・どんな気持ちなのか
そうしたことも含めて受け止めようとする姿勢です。
相手の立場になって、
「この人は今、どんな世界を見ているんだろう。」
と想像しながら関わること。
これが「聴く」ということです。
◆人は「理解された」と感じた時に、本音を話し始める
面白いことに、人はアドバイスをもらえた時よりも、分かってもらえたと感じた時の方が、安心して話を続けられます。
反対に、こういうことですよね?と決めつけられたり、話の途中で自分の経験談を話されたりすると、
「違うんだけどな...。」
「もういいかな。」
と心を閉じてしまうことがあります。
私たちは良かれと思って、相手の課題や目標を早く解決してあげたくなります。
しかし、コーチングでは答えを教えたり、答えを出すことを急がずに、
相手が自分自身で考え、言葉にする時間を大切にします。
◆本当に聴けているか心配になった時に確認したいこと
では、自分が「聴けているか」を確認するにはどうしたらいいのでしょうか。
私自身もセッションの前後で、次のようなことを振り返るようにしています。
(1) 次に何を質問しようか考えていなかったか
相手が話している途中なのに、次の質問を考え始めてしまうことがあります。
そうすると、意識は相手ではなく自分に向いています。
まずは最後まで話を受け止めることを意識してみましょう。
(2) 自分の価値観で判断していなかったか
「私だったらこうする」
「それはこうなんじゃないか」
そんな考えが浮かんでいないでしょうか。
コーチングでは、相手にの中にある価値観を大切に扱います。自分にとっての正解が、相手にとっての正解とは限りません。
それを踏まえた上で聴きます。
(3) 早く答えを出そうとしていなかったか
沈黙があると不安になり、何か質問しなければと思ってしまうことがあります。
でも、その沈黙の時間こそ、相手が自分と向き合っている大切な時間かもしれません。
焦らず、その時間を一緒に待つ勇気も「聴く力」の一つです。
(4) 相手の言葉だけでなく、表情や感情にも意識を向けていたか
例えば、「大丈夫です」という一言でも、
笑顔で言う「大丈夫」と、
少しうつむきながら言う「大丈夫」では意味が変わることがあります。
言葉だけでなく、表情や間、声のトーンにもヒントがあります。
◆「聴く力」は才能ではなく、磨けるスキル
聴く力は、生まれ持った才能ではありません。
意識して練習すれば、誰でも少しずつ身についていくスキルです。
聴く力が必要なのはコーチだけではありません。
職場での上司と部下の会話、
夫婦や親子の会話、
友人との何気ない会話。
相手は答えが欲しいのではなく、
自分の話を最後まで聴いてほしい、
そう思っているかもしれません。
だからこそ、「聞く」ではなく、
「聴く」を意識してみませんか。
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