Coach Interview - 芳賀 美貴 コーチ（後編）札幌校講師

　幼少時の体験で深いトラウマを抱えていた芳賀さんは、思い切って自己開示したときから自分を肯定できるようになったそうです。仕事とプライベートが充実してバランスが取れた毎日を送っているという現在に至るまでの道のりをうかがいました。
（聞き手：山上 晴美コーチ）

ーー 芳賀さんご自身がコーチングに出会って変わったことはどんなところでしょうか。

　私は、ずっと夫を支えて生きていくと思っていました。だから、夫の影にいたような感じです。職歴も事務とかパートでしたし、自己肯定感がとても低かったんです。その私がコーチングの講師になるとは思ってもみなかったことなので、コーチをつけたりセルフコーチングをしたりして、目標以上のことを手に入れたのかなと思います。

ーー コーチングと出会ったことで前に出て行っていいって、自分に許可を出した感じですか。そして今、講師やパーソナルコーチをする毎日を送って、どんな気持ちで日々を過ごしていますか。

　そうですね。これがやりたかったんだということをどんどん手にしている感じです。プライベートがすごく充実していて、自分を整えるヨガに出会ったり、ハープを習ったりしています。老人施設を回って演奏することが夢です。あとはバイクに乗っています。そろそろバイクのシーズンなので楽しみです。３０分も走るとすぐ田舎に出るので。北海道はバイク乗りの聖地と言われていて、本州からも大勢いらっしゃいます。

ーー バイクですか！バイクに乗る楽しさはどんなところにあるのですか？

　目の前に広がる絶景を風を切りながら身体中で感じることができるのが爽快ですね。でも、やはり自分が整っていないとすぐに運転に現れます。ゆったりした気持ちでおごることなく乗るってことは自己基盤が大事ですね。車もですが、バイクにはそれが顕著に現れるんです。

ーーそうですか。バイクに乗るにも自己基盤が大事って深いですね。ご自分の自己基盤をどんなふうに思いますか？

　私はずっとトラウマを抱えていて、昔精神病院に入院したこともあったんです。幼い頃にわいせつ行為を受けていたことを隠していたからなんですけど。クラスCの自己基盤の時間にをそういうことも自己開示しようと思って勇気を出して言ったんですね。ここで言えなかったらコーチになる資格がないとまで考えました。そうしたら一緒に受講していた方が、泣きながら「がんばってきたことがよくわかった。勇気をもらった」って言ってくれたんです。そこから、自分の話が人をそんなに勇気づけるんだって思って、それも含めて自分の人生だって思えるようになったんです。これが私の人生なんだって言える強さが身に付いたって今は思っています。

ーー クラスの人たちが受けとめてくれたんですね。それ以降自分への評価はどんなふうに変わりましたか？

　そうですね。そこから少しずつ、本当の意味で自分を肯定できるようになったと思います。この人、許せない！という強い感情を持つ自分にも一旦ＯＫを出す。それから、自分を俯瞰していくという作業ができるようになって、かなり楽に生きられるようになりました。人にもＯＫと言えるようになったからですね。自己理解、自己承認、自己開示、このステップを知ったことが大きいと思います。

　あとは、コーチを続けていくにあたって、今までの友だちからいろいろ言われたりとか。今の活動を悪く言われたりしたんです。でも続けたかったし、応援してくれる人とそうでない人がわかってよかったと思えるようになりました。仲間が増えたり減ったりすることにいちいち怯えなくなりました。

　否定する人は、プロフィールを公開するとそれに反発する人と、よくこういうこと書いた。偉いねって言ってくれる人もいて、はっきり二極化したって思いました。そのときに、全員に好かれたいと思っていた自分がいたことを知りました。

　私自身は、前はずっと仕事だけをしてきたので。今は、仕事とプライベートのバランスが取れていると思います。自分が変わったのだから、関係が変わるのは当然の結果だと思えるようになりました。

ーー コーチングに限りませんが、これから何かにトライしたいこととか新たに展開していきたいことがありましたら。

　札幌校の受講生の中に若い女性や、コーチングで世の中に貢献していきたいって人が多いのですが、認定を取って活動しているかっていうとそうでもなかったりするんです。まだ具体的な方法は見つかっていませんけれど、何かこうみんなでコーチングの活動ができるような、札幌校のコーチたちを活気づけられるようなサポートができたらいいと思います。

　札幌校だけではないですが、皆さんコーチングを学んだら、やめないでやり続けてほしいです。たくさんの失敗もやがて必ず糧になるので、それを活かして人に伝えられるように、自分自身がイキイキしていてほしいです。まずは自分。自分を大事にしてあげることだと思います。それがあってこそ、続けることができるし、失敗も糧にできるのだと思います。

ーー 自分を大事にするためにやっていることなどありますか？

　こんな自分はイヤだと思ったときに、セルフコーチングしたりして、自分を元気にする方法をたくさん持っているとか。私は脳内でリピートしている言葉を見つけて、自然に自分と会話をするようになりました。

ーー 聴きのがしてしまうような自分の声を聴き取ることができるようになるって本当にありがたいですね。いろいろなこと、率直にお話しいただきありがとうございました。