Coach Interview - 髙坂福美 コーチ（前編）京都校講師

　否定語の多い医療現場で働き、人を肯定するコーチングと出会って人生が変わったという、京都校の髙坂福美さんに、想像もしなかった展開や苦手なことを乗り越えて来た体験をうかがいます。
（聞き手：山上 晴美コーチ）

ーー 今年、京都校の講師になられたそうですね。

　今年の8月から京都校の講師をやっています。受講された方が認定試験を受けて、やっと私が教えた生徒さんが認定コーチとして誕生します。

ーー それはうれしいですね。京都校の講師以外にどんなことをしているのですか？

　仕事の中心はパーソナルコーチングです。家が滋賀県なので対面で受けてくださるような方は周りにいらっしゃらないんです。それでスカイプのみでコーチングセッションをしています。お客様は半分くらいが東京の方なんです。北海道とか東日本、海外の方もいらっしゃいます。

ーー それはすごいですね。パーソナルコーチング以外には？

　アスリートコーチの資格をとってメンタルトレーニングの講師もして、学校の部活をしている学生たちに行っています。みんな素直なので成果が上がるのがとても早いです。それ以外には顔を分析してその方に似合うファッションを提案するファッションアドバイザーもやっています。顔立ちに合ってないと自分の魅力を生かせないですから。

ーー どんなきっかけでコーチングを学ぼうと思ったのですか？

　2010年の４月頃、関西には一つだけだった大阪校の体験クラスに参加して12月に認定を取りました。当時は看護師をしていたんですが、医療の世界って、どちらかと言うとダメなところを指摘するみたいな教育なんです。コーチング的にはそれは絶対にやらないというようなことを当たり前にやっているような世界です。そういうことがあって自己肯定感が低くなってしまって、自分に全然自信がなかったんです。「私なんて」っていつも思っていました。そんな時に久しぶりに会った友人が、なぜか別人のようにキラキラしてたんです。彼女も同じように自信がなかったはずなのに。聴いたら、コーチングっていうものを学んで自分のことをしゃべりまくったら人生が変わったって言うんです。その時は自分の事をしゃべったら人生が変わるっていう意味が全然わからなかったですね。女性同士は普段でも自分のことをしゃべったりしますよね。なのになんでそれだけで人生が変わったんだろうって。その秘密が知りたかったんです。それで、関西で勉強できるところを探して銀座コーチングスクールに行きました。

ーー コーチングについて、その時点では知らなかったわけですね。体験講座に行って初めて練習をして、どんな感じがしましたか。

　初めは、なんでこれで人生が変わるのかがよくわからなかったです。だからこそもっと学ぼうって思って講座を受講したのですが、まず最初はクラスの雰囲気にびっくりでした。こんな肯定の世界があったんだって。講師もどんなことを言っても否定しないし。それまでは否定の世界に生きていたのでこんな世界が世の中にあるってことに本当に驚きました。病院の先輩方は思いやりを持って言ってくれているわけですけれども、否定ばかりして人が育つのかなってすごく疑問だったんですね。医療業界は命を守るところなのでいろいろなことに厳しくて、優しくしたら甘やかしてるみたいな雰囲気もありました。 ですから、クラスにいてすごく心地よかったし、とても楽しかったですね。セッションの練習もたくさんしました。

ーー スキル的なことから、気づいたり意外だったりしたことなどはありましたか？

　練習で自分がクライアントになった時に、それまでは自分のことを認めてなかったので答えられないことがたくさんあったんです。例えば「強みって何ですか」とか、「成功体験は何ですか」とか聞かれる事ありますよね。その時に「ないない」って答えてました。本当に自己理解ができてなかったんです。「ない」って自分で最初から決めてたんですね。 紆余曲折がありましたけれども少しずつそれがわかってきました。そのプロセスによって自己基盤が確立していって、友人が自分のことをしゃべったら世界が変わったよって言ってたことが、認定コーチになってわかりました。