Coach Interview - 佐藤 慶子 コーチ（後編）

　富山で長く活動している佐藤慶子さんは、このシリーズの初期に地方校第一号の富山校代表中村慎一コーチからインタビューを受けています。6年以上経った２回目の今回はコーチ業を生業と決めてから現在までの、シングルマザーで会社勤めをしてから独立し、自らの道を開いていった話をうかがいました。
（聞き手：山上 晴美コーチ）

−仕事を楽しく感じながら日々を過ごしている佐藤さんからは、いつも元気な様子が伝わってきています。

　はい。今が一番元気です。風邪もひかなくなったし。お客さんから元気をもらっています。感動のミーティングの後など、運転して帰る車の中でもまだ感動で胸いっぱいのときがあります。お客さんのおかげで本当に元気です。コーチングを学ぶ前はいつも体調が悪くていつも喉が痛くていつもモヤモヤしていたなあと思います。

−先ほど、ご両親との関わり方も変わったとおっしゃいましたがどんなふうにですか？

　親とのコミュニケーションですね。離婚して実家に出戻ってから、ぶつかることもありました。でも、50歳になった朝、起きた時に「私50年も生きてきたんだ。すごい」って思った瞬間がありました。でも、それよりも、親は50年も親をやってきた。そのことの方がすごいって思えてきたので、何か労いの言葉をかけたいと思い、ランチに行きました。両親はすごく喜んでくれました。なんの変哲もないランチでしたけど、2人とも「あの頃こうだったね」とか思い出話をしながら、関わり直しのランチになりました。

　親と本音で話すようになったら関係が良くなってきて、そうしたら子どもとの関係が良くなって、お客さんとの関係も良くなりました。自分がそうなってからお客さんが深いところを話してくれるようになったんです。
　息子は私の父と銭湯に行って背中を流してくれたり、娘は父母と旅行に行ってくれたり、しょっちゅう家に行ったりしています。
　全部自分が変わったからですね。コーチングピラミッドで言われているのは、まさにこういうことだなあと実感しています。

−素敵な話ですね。これからのことですが、新たに挑戦するとか、今やってることを広げるとかの予定はありますか？

　今もう始めているんですが、若い人たちや大学生がグループワークをして、人生の課題を対話で解決できる場を増やしていきたいと思っています。

ビジネススキルを超えるもの

−コーチングを勉強している人やこれから触れていきたいと思っている人に伝えるとしたら？ 　コーチング講座でいつもお伝えしているのは、コーチングは単なるビジネススキルではない。ビジネススキルを超えたものだということです。一人一人の人生の課題を解決していくためのツールだとお伝えしています。 　それからもう一つ、私が富山で起業するって言ったら3人の人からこう言われました。 　1人は「富山にそんな需要があると思ってるの？」 　後の2人は「コーチングだけじゃ食べていけないから他のこともやったら？」です。 　そう言われて、ますますハートに火がつきました。 　「見てろよ。絶対にコーチングで食ってやるぞっ」て（笑） 　起業する時には確かに不安もあって、もしこれで食べられなかったら、昼働き、夜もビルの掃除など何でもしようって思ったんです。もしダメでもどうやっても生きていけるって。でも幸い、やりたい仕事を続けながら、今日まで来ることができました。 −「見てろよ」っていいですね。ハートについた強い火は消せませんよね。 　お久しぶりの佐藤さんから、深くて素敵な話をたくさん伺うことができました。 　若い人たちの対話の場が広がることを願っています。ありがとうございました。

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