Coach Interview -酒匂令子 コーチ（後編）

　お子さんのために会社を辞めて個人事業主になり、コーチングを取り入れてから公私共に変化した酒匂さん。ご自分の強みや特性がわかると共に大事なことが見つかって、将来の素敵なビジョンも思い描いているそうです。 （聞き手：山上 晴美コーチ）

−ところで、酒匂さんご自身が今やっていることでもう少し広げたいとか新しく展開させたいとか、将来のビジョンがあったらお聞かせください。

　講師として活動する大前提はコーチとして成功することだと思っています。コーチとして成功してこそ講師として教えられたり、コーチングを学んだ方達がプロコーチとして活動できる状態までサポートしたりできる。それにはまずコーチとして大成功していないといけない。その前提のもとで考えると最終的にはパーソナルのコーチとしてメインでやっていきたいと思っています。特に女性の活躍のところにアンテナが立つのでそこに貢献していきたいです。
　それには私自身の人生が充実していることが前提ですから、スキルとか資格ももちろん必要ですが、人としての基盤が整っていることがすごく大事だと思います。
　引き出せるコーチだけど自分自身が不幸な人生を送っているとしたらそれは違うと思いますし、「心技体」と言うように全部がバランスよく整っていたいと思います。人生全般の基盤が整えられるようなそんな活動をしていきたいです。例えば瞑想やリトリートでリフレッシュして、心と身体を整えてからセッションを受けるとか。
　そういう、もう少し広義な意味でのセッションのコンテンツを作ってやっていきたいです。

−いいですね。心と身体は切り離せないのですが、普段は、なんとなく別物のようになっていますね。

　セッションをして行く中で感じるのは、心も身体も思考も全て繋がっていて、例えば忙しくて睡眠が全くとれていない人としっかり睡眠がとれている人とでは、セッションでの前向きの度合いやモチベーションも全くも変わってくるという経験があります。こういった点から、対話するだけで終わるのではなく、そこから一緒に整えていくコーチとして携わっていきたいです。

−コーチとして成功するということですが、酒匂さんがパーソナルセッションをしていて大事にしているようなことはありますか。

　一番大事にしているのは相手の方の心の声は何かなと思って聞くことです。心の声が見えた瞬間がうれしいです。クライアントと一緒に「そうだね」って言える時です。フィードバックが心地よくない時もあるかもしれませんが、例えば物事が前に進めないときに、障害になっているものを一緒に見つけた時「これだったね」って一緒に発見したり、やりたいことが見つけられない時に、「これが本質なんだね」って一緒に発掘したりできた瞬間がうれしいです。

−「一緒に」がポイントですね。

　はい。一緒に海の底の深いところに降りていく感覚です。
　でもたまに、深みに行くのが揃わない時もあります。私は一生けんめいに海の底に入っているのに、ずっと上の方で浮き輪に乗っているような。
　「まだ沈まないの？おーい」って（笑）
　私1人だけで沈んじゃっても、一緒に手を取り合って海の底に沈んでいかないと宝が見つけられないですね。

−素敵な例えですね。では、コーチングを勉強中あるいは認定コーチになって間がないコーチの方たちに送るメッセージがありましたらお願いします。

　私も道の途中ですが、ぜひ、たくさん試行錯誤をしてみてください。私もこれまで、コーチとしての道を見つけるために、色々なトライ&エラーを繰り返してきました。結果として、何度も名刺を書き換えました。タイトルとか強みとか何度も書き換えてやっと宝を見つけた。そのプロセスを経ていくのが、コーチの自己基盤への道だと思うのです。失敗を楽しんで進みましょう。

−因みに酒匂さんは、どんなプロセスを経て今日に至ったのですか。

　最初は強みとか経歴とかマーケティングを打ち出していました。外資系、子育て、女性のキャリアとかいろいろな切り口でやってきましたが、クライアントの皆さんからいただいた声で気づきました。私は「元気を注入する。エンパワメントする人」だったのだと。

−クライアントさんからのフィードバックはありがたいですね。皆さんに元気を注入することがお役目。どんどんエンパワメントして、大勢の方の開花に手を貸してください。女性が元気だと世の中も明るく楽しく変わりそうです。 ありがとうございました。